東京国際映画祭、コンペティション部門の「別世界からの民族たち」を観ました。
ストーリーは、
想像してみてください――。イタリア北東部の美しい町。上品で勤勉な人々が住んでいます。この町は移民労働者の割合は高いけれども、全員が合法的に居住し社会に同化しています。そこでは、お気楽な資本家が、毎日、人種差別的なショーを楽しんでいるとしましょう。そのショーは大げさでノリは軽く嫌味な皮肉に満ち溢れ、すべてにおいてあまりにも差別的なので、ある意味笑ってしまうものです。ある日、その小さなショーの世界が現実となり、移民たちがショーのようにふるまおうと決めたら…。しかも永遠に――。
というお話です。

イタリアの移民問題を描いています。イタリアは、アフリカ系、アジア系など、色々な地域から移民が入ってきて、本来のイタリア人の居る場所を侵食しているように思っている人が居て(保守派の人達です。)、結構、TVなどで、迫害しているんですよね。それって、結構、どの国にでもある問題ですよ。日本だって、中国や韓国、他の人がアルバイトに入っていて、日本人の職場が奪われていたりっていうことが、現に起こってきているでしょ。自分の仕事が取られた人は、良く思わないですよね。だから、迫害っていうことが起きてくるのは、当たり前だと思うんです。でも、やり過ぎると・・・。この映画のようになるかもしれない・・・。

TVなどで、バンバン迫害をしたら、ある日、突然、移民の人々が誰一人居なくなってしまいます。昨日まで、メイドを何人も雇っていたのに、今朝は誰も居なくて、掃除からなにから、全部自分でやらなくちゃいけなくなります。今まではイヤだと思っていた人達が、いきなり居なくなったら、彼らが担ってくれていたものがすべて無くなり、どうしようもない状態に・・・。本当に、「後悔先に立たず」で、居なくなってからでは、もう手の施しようが無いんです。
かといって、移民すべてを奨励は出来ません。「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように、その国に移動したなら、その国のルールに従って生きて、その国の為に働くのが筋でしょ。でも、何時まで経っても自分の国のルールを正しいと言い張り、お金を稼いでは自分の国に送るだけで、今居る国の為に全くならないっていうのは、違うと思うんです。それは、移民として生きる心構えが無いんですよ。そういう人達は、やっぱり受け入れることは出来ません。自分の国に帰って欲しいですね。

確かに、自分の国を、他国の民族に奪われるのは腹が立つと思います。でも、他民族に助けられているのも事実なんです。どんなに頑張っても、自分だけでは出来ないことってありますよ。人を受け入れることは難しいけど、成長した民族ならば、段々と理解出来るし、他民族と共存する術も見つけられます。ただ、迫害するのではなく、共存の道を模索することが、一番必要なことだったという事に気が付くのに、遅いことはありません。イタリアも、色々考えてみて欲しいですね。
イタリアの移民問題が、現在、どういう状況なのか分かりませんが、解決はしていないそうです。そして、色々な問題が起こっているそうです。そんな中で、この映画を作ったので、保守派の人からは、随分妨害されたそうです。でも、公開出来たそうですよ。良かったですね。

これ、日本公開あるかなぁ。単館系だったら、結構、人が入るんじゃないかしら。コメディっぽくて面白いけど、難しい問題を扱っているので、出来れば、観て、考えて欲しいけど、公開があるかは、分かりません。もし、観る機会があったら、ぜひ、観に行ってくださいね。
第24回東京国際映画祭 http://2011.tiff-jp.net/ja/