東京国際映画祭、コンペティション部門の「キツツキと雨」を観ました。
ストーリーは、
というお話です。

木こりと映画監督って、まったく相容れない感じなんですが、これが、段々と仲良くなっていくんですよ。克彦は、自分の息子と新人監督をダブらせ、新人監督の幸一は、克彦に自分の父親を重ねていたのだと思います。そして、二人で協力して、映画というものを作り上げていくという感じかな。最後は、結構、感動的で、ホロッとしてしまいそうな感じでした。

映画監督でも、どんな職業でも、初めて人を動かす立場になった時は、ビビリますよ。ベテランの人もいるし、言った通りに動かない人もいるし、もう、どうしていいか判らないけど、でも、下の人は判断を仰ぎに来るでしょ。逃げたくなるの当たり前です。でもね、そのプレッシャーを跳ね除けて、そこに立ち続けない限り、先へは進めないんです。だからこそ、助けてくれる自分の味方を見つけなきゃいけない。この新人監督は、役所さん演じる木こりさんと出会い、そこに立ち続けられる力を貰います。その絶妙な組み合わせは、映画を観てくださいね。この間というか、二人の雰囲気は、素晴らしいです。

役所さん演じる、木こりですが、奥さんを亡くし、成人した息子(高良くん)と住んでいて、息子は、仕事を辞めて、プーなんです。まだ、何をやって良いのか分からず、フラフラしているのですが、本当は、すごく良い子みたいなの。母親が死んでしまい、男二人だと、なんだかコミュニケーションが取り難いんだろうなっていうのが判って、良かったです。お互いの事をすごく思っているのに上手く伝えられなくて、ついキツイ言葉で返してしまう。どこの親子にもあることですよね。それを、映画の中でやられると、やっぱりちゃんと伝えなきゃって思うんですよねぇ。

この親子の話は、小栗くん演じる新人監督もあるんです。親は出てきませんが、映画監督という職業についてしまって、親は怒っているのではないかと思っているんですが、それも癒されていくんですよ。この映画は、親子の関係を、とても大切に繊細に描いています。
森林の風景と音が、とっても印象的でステキです。静かな森の中に、鳥の声や木の軋む音がしたかと思うと、チェーンソーの音が鳴り響き、木がドスーンと倒れる音。この音だけで、人間が自然の中で生きて、生かしてもらっているという事が、感じられて、自然の力の偉大さを感じさせられます。この映画は、自然も、一つの役者として登場している雰囲気ですかね。
この映画、来年2月公開だそうですが、私は、お奨め作品です。ぜひ、観て欲しいです。とっても笑えて、ちょっと泣けて、誰もがあった初心者の頃の自分を思い出します。初心忘れるべからず、と思って、自分を思い返せるのではないでしょうか。ステキな映画ですよ。ぜひぜひ、ご覧下さいね。
・キツツキと雨@ぴあ映画生活
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第24回東京国際映画祭 http://2011.tiff-jp.net/ja/