東京国際映画祭、コンペティション部門「最強のふたり」を観ました。
ストーリーは、
パラグライダーでの事故の後、裕福な貴族のフィリップは自分の介護者として、刑務所を釈放されたばかりの若い男のドリスを雇う…。つまり、この仕事にはまったくふさわしくない人物だ。一緒に過ごすうち、ふたりは様々なものを調和していく。ヴィヴァルディとアース・ウィンド&ファイアー、上品な話し方と通りでの与太話、スーツとスウェットパンツ…。ふたりの世界は衝突するが、やがて互いを受け入れ、予想もつかないほどおバカで笑える最強の友情が生まれる。火花散る、そしてふたりを“アンタッチャブル”にする唯一無二の関係。
というお話です。
この映画、実話を基に作られたものなのですが、すごくステキな映画で、ぜひ日本公開して欲しいと思いました。事故で脊椎損傷してしまい、首から下が不随になってしまったフィリップは、障害者ということで同情し、介護をしてくれる人間ではなく、自分を人間として見て、日々の行動を助けてくれる人間を探して、フィリップを雇うことになります。
私は、障害を持っていないので、障害者の本当の気持ちなんて解りません。もちろん、この映画のドリスだって、同じだったと思います。だからって、障害者を腫れ物を触るように、同情して大切に扱っていたら、本人だって、自分が障害者で、他の人より劣っているっていう気持ちがどんどん膨らんでしまいますよね。
ドリスは、自分は障害者じゃないからあんたの気持ちなんて解んないし、別に、同じ人間なんだから、同じようにやりたい事あるんだろうって思って、自分と変わらずにフィリップを扱います。時には、”あ、動かないんだからこんな事出来ないんだよな。”って、笑ったりするの。でもね、それがとっても自然なんです。別に、障害を持っているからって、劣等感を感じる事が無いんです。たとえば、髪の毛が天然パーマだって言うくらいの感じなんです。
社会全体が、障害者を特別扱いしないで、同じ社会に生きる人間だって認識すれば、もっと障害を持っている人が一緒に働いたり楽しんだり出来るようになるのかも知れません。障害者というだけで、構えてみてしまう私達の考え方を変えてくれるものじゃないかと思いました。つい、助けてあげなきゃとか、特別に扱ってあげなきゃっていう気持ちが沸いてしまうけど、特別にすればするほど、障害を持っている人は、傷つくんですよね。そんな事に気が付きました。
音楽の使い方や、美術の使い方も素晴らしいんですよ。お金持ちのフィリップと、黒人で貧困な生活を送ってきたドリスは、趣味も違うし、考え方も違う。でも、二人はお互いの趣味や考え方を、交わらせていくんです。クラシックも良いし、ポップスも楽しい。絵画なんて知らなかったドリスは、芸術に触れて自分も絵を描き始めたり。もう、本当に二人は、一緒に居ると楽しそうなんです。辛い事もあるけど、言葉で言い合うのではなく、心で解りあったり・・・。観ていて、こちらまで楽しくなりました。
実在の彼らは、ずっと仲の良いお友達で、今も幸せに暮らしているそうです。最後に、実際の彼らの映像が映りました。本当に、ステキです。感動でした。
この映画、ぜひぜひ、日本公開して欲しいと思います。こんなに良い映画、どうして公開決まってないの?こんなに楽しくて、感動する映画、たくさんの人に観て欲しい。映画としては、「最高の人生見つけ方」みたいな感じかな。それが、もっと若くなって、楽しくなった雰囲気です。
日本公開、望んでいます。もし、公開されたら、ぜひぜひ、観に行ってください。これは、大当たり作品です。幸せが振ってくる作品です。
P.S 劇中でかかっていた「アース・ウィンド&ファイアー」の曲が頭から離れず、アマゾンで購入しちゃいました。やっぱ、良い曲だよぉ。
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第24回東京国際映画祭 http://2011.tiff-jp.net/ja/