「アントキノイノチ」 人間の繋がりが薄くなった世界で、どう正気を保っていくことが出来るのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

先日、「アントキノイノチ」の試写会に行ってきました。

この試写会は、ぴあカードを持っている人のみが応募出来る、特別な試写で、監督やプロデューサーとのティーチインと懇親会が試写の後に設定されていて、食事もいただけるような、すごいものでした。


ストーリーは、

高校時代、とある事件がきっかけで心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田将生)は、遺品整理業を父親に紹介してもらい働き始める。そこで出会った久保田ゆき(榮倉奈々)や仕事仲間と共に過ごすうちに、杏平は少しずつ心を開き始める。そんなある日、ゆきは衝撃的な過去を杏平に告白し、彼の前から姿を消してしまう。

というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-アントキ3

高校時代にショックで人との交わりが出来なくなってしまった永島=岡田くんの心が、段々と溶解していく様が描かれています。その高校時代の事件というのが、人間が疎遠になり、お互いに傷つけ合って生きているような状態の中で起こった事で、そんな学校生活に、潰されてしまった永島。確かに、高校だけじゃなく社会全体で、人間の繋がりがとても減っていますよね。

今、人間が疎遠になるというか、他人に興味を持たなくなっているというのが、どんどん酷くなっているような気がします。そして、自分自身も、その狂った社会に埋もれていっているという自覚もあります。これは、社会が貧困になればなるほど、酷くなっていくのだと思います。心の問題でしょと言う方もいらっしゃると思いますが、心に余裕が無ければ、自分の事で精一杯。人にかまっていられないというのが現状です。だから、私は、人にかまわない=事件の傍観者を責めることは出来ません。永島が傍観者に対して叫ぶ場面があるのですが、その心の奥底から咆哮する姿を観て、自分が誰かに、こんな声を出させていないだろうかと、心が痛くなりました。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-アントキ5

弱い人間を助けないというのはおかしいと思います。先日の”ツレがうつに~”のように、同じように働いていても、壊れてしまう人がいるんです。周りに居る人間が、少しでも親身になって考えてあげられたら、もう少し違っていたかもしれない。全てを背負うのは無理でも、話を聞いたり、傍に寄り添うだけでも、助けてあげられたのではないかと・・・。簡単には出来ないけど、ほんのチョットでいいんです。見て見ない振りをするより、よっぽど心が豊かになります。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-アントキ2

そして、ゆき=栄倉さんも、ある事件で人との交流が怖くなってしまった1人です。そのゆきと永島が出会い、お互いの苦しみをぶつけ合う事により、少しづつ前を向いて歩いていけるようになって行きます。二人ともが、命というものを大切に思い、命は、ただ無くなってしまうのではなく、続いていくものなのだと考えます。

命のことを二人が真剣に考えるようになるには、二人の仕事、遺品整理業が重要な役割を果たします。死んでしまった人の部屋を片付けていると、フッと、生前の人物を直ぐ傍に感じるような遺品に出会うこともあり、生と死というものを感じながら、二人の心は、未来を見れるようになるんです。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-アントキ4

遺品整理業という仕事、あることは知っていましたが、そのやり方など、初めて見るもので驚きました。私は、今まで近い身内が亡くなった経験が無いので、遺品の整理をしたことがありません。普通、家族がやるものだと思っていました。でも、色々な事情で、最近は業者の方に頼むことも多いのでしょうね。それに、業者の方にやっていただいたほうが、踏ん切りが付くのかもしれません。いつまでも忘れられないとか、くよくよしているより、頼んでしまった方がさっぱりするのかも。


結構、微妙な心理描写が多いので、あまり書くのは辞めますね。皆さんが、観て、それぞれ感じて欲しいと思います。観る人によって、感動したり、涙する場所が違うんじゃないかなって思います。自分の歩んできた人生に重ねて観てしまうと思うので、それぞれ、違うと思うんです。でも、誰もが、心に何かを抱くことと思います。

ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-アントキ1


私は、とても感動してしまいました。お勧めしたい1作です。またも、感動して、感想も長くなってしまいました。だって、こういう事って、現実に起こっていることなんですもん。ぜひ、映画館でご覧になってください。


P.S : 岡田くんが後姿だけど、ヌードになっています!!ビックリしたぁ。全てを脱ぎ捨てて、生まれ変わるという表現なのだと思います。重要なシーンですよ。お楽しみに。


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