先日、東京国際映画祭のプレイベント上映会で、去年の映画祭のアジア部門の作品「4枚目の似顔絵」を観ました。映画祭では観れなかったので、期待して行ったんです。毎年のことですが、映画祭のスケジュールって、すごくタイトで、どうしても観れない作品がたくさん出るんです。本当は、全作品観たいくらいなんですけどね。

ストーリーは、
父の死後、10歳のシャンには孤独な未来が待ち受けていた。彼が児童養護施設に移されることになった時、疎遠になっていた母が現れ、彼の人生は大きく変わってしまう。愛情のない母、憎むべき継父、寒々とした家。シャンはどこに向かうのだろうか? 彼は絵を描くことに慰みを見出していく。そして、安易に優しくしたりしない年老いた学校の用務員と、常識はずれな考えを持つでっぷりとした男に出会い、シャンの人生は再び希望に満ち溢れたものとなっていく。だが、兄弟の悪夢に取り憑かれ、恐ろしい真実が明らかになろうとしていた。シャンは4番目の肖像画に、自分自身の姿を描くことができるのだろうか?
というお話です。
スミマセン。私、この映画、あまり理解が出来ませんでした。というか、似顔絵に何の意味があったのかが解りませんでした。父親の死で、社会というものをまったく知らないのに1人で投げ出され、いきなり現れた母親も頼りにはならず、自分の足で立ち上がって生きていかなければならないという映画だったとは思うのですが・・・。
シャンという少年は、小さい頃、母親が出て行ってしまい、父親1人で育ててきた子です。父親が死んだ後、仕方ないって感じで、母親が迎えに来ます。この母親は、既に新しい男と一緒に暮らしています。このシチュエーションって、子供を虐待して殺してしまった夫婦に良くあるタイプですよね。母親が、子供ではなく男の方を向いてしまっていて、子供が邪魔だってことです。自分が産んだ子供なのに、信じられません。男は、所詮、他人ですよ。それを比べて、男を取ってしまうって、人間じゃなくて、家畜と一緒ですね。サイテーです。
そんな母親の元に引き取られたシャンは、まだ、親が恋しい年頃なのに邪険にされて、学校へ行っても友達も出来ないんです。その上、恐ろしい事実も知ってしまうんです。いや、ホントに、親が子供に愛情を抱かないって、最近、多いんですね。日本だけかと思ったら、台湾でもそうなんだって思いました。

それにしても、似顔絵といいながら、似顔絵じゃないんですよ。1枚目は似顔絵だけど、2枚目は、似顔絵といいながらもタダの絵だし、3枚目は風景画です。夢の絵なんだけど、どうしてそれを似顔絵って言うかなぁ。そんな似顔絵じゃない似顔絵が、いったい何の象徴だったのかわかりません。最後に、自分の似顔絵を描くか、書かないかってところは、もう、自分しか居ないってことかなって思ったんですけど・・・・。でも、いま1つ、理解が出来なかったなぁ。
内容は、まぁ、現在起こっている、親が子供を顧みないような感じなんですが、その風景や衣装などなどを観ていると、日本の戦後のような雰囲気で、ちょっとズレちゃっている感じなんです。う~ん・・・。
この映画は、公開予定が無いので、ま、お薦めも何も無いのですが、もしかしてDVD化するかなぁ。面白いとは言えないけど、アジア映画が好きな方には、結構、好まれるのではないかと思います。
「東京国際映画祭」 http://www.tiff-jp.net/ja/