今日は、「神様のカルテ」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
自然あふれる長野・松本の本庄病院で、内科医として働く栗原一止(櫻井翔)。24時間365日体制で医師不足の問題を抱える病院で、前向きな職員たちと共に診療をこなす一止にとって、最愛の妻・榛名(宮崎あおい)らと語らうことが日々の楽しみだった。そんなある日、一止はある患者と出会い、人生の岐路に立つこととなり……。
というお話です。
本屋大賞選ばれた作品で、期待していました。実は、原作は、まだ読んでいません。私の天邪鬼な性格から、あまりに「感動する作品」とか、しつこく書かれると、期待が膨らみすぎて、感動しないんですよ。だから、映画を観てから本を読もうと思いました。
確かに、感動作だと思います。色々考えさせられました。でも、孤高のメスとかチームバチスタとか、そういう医療系の映画と比べて、特別に感動するとかはありませんでした。違っているのは、主役の栗原夫婦の雰囲気とか、住んでいる環境などが、夏目漱石の小説に近いような状況で、そんな普通の中に、夢や挫折、未来や過去など、色々なものが詰まっていて、面白いなって思いました。
医者としての栗原(桜井くん)は、ちょっと浮世離れしているような人間で、医者としての腕はとても良いようですが、その腕をバリバリ振るって活躍する、というようなタイプではないんです。
医者には、3通りあると思うのですが、才能があってチャンスも手に入れて、最新医療の開発などのいわゆる医者の花形として働く人間と、才能があるけど医療の中心で戦える精神力が無い人間と、もともと普通の才能なので普通の医者として働く人間。その中で、栗原は、2番目のタイプです。才能はあるけど、大学の医局などで戦える人間ではない。性格が優しすぎるんです。だからこそ、人の痛みも判るんですけどね。
でもね、この3通りの医者、すべてが居てくれるからこそ、私達が安心して生活出来るんですよね。診療所があって、大手の病院があって、専門病院がある。親身になってくれる地域医療の先生と、たくさんの症例を見て研究をして、最先端の医療を施せる先生。どのタイプの先生も大切なんです。
医者って、なんでも病気を治してくれるような、そんな幻想を抱いてしまって、病院に行くと、過度に期待してしまうことって無いですか?でも、医者も人間なんです。神様じゃない。だから、出来る事と出来ない事があるし、キツイことを言われれば傷つくし、悲しむし、落ち込んだりもする。そんな普通の人間である医者を描いていて、同じ人間が、仕事として医者をしているんだなっていう事に気が付きます。
映画の中には、もっと考えさせられる問題がたくさんありましたが、ネタバレになっちゃうので、書けないんですよ。末期ガンの人の受入れ問題、延命治療、救急医療の酷い状況、患者のわがままな言い分、などなど、もう、沢山考えさせられました。
この映画を観て、沢山考えて、感動して、自分の生き方を、自分の最後をどうやって迎えるかを、考えてみたいと思いました。私はお薦めしたい映画だと思います。本当は、秋口のちょっと涼しくなった時に、この映画を観て、その後、どこかで夕焼けでも観たい雰囲気なのですが、8月27日には、少し涼しくなっているかなぁ。
・神様のカルテ@ぴあ映画生活
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