今日は、「ツリー・オブ・ライフ」の試写会に行ってきました。カンヌ映画祭のパルムドール作品です。
この試写会は、「東京独女スタイル 」から招待いただいたのですが、その後、「モデルバンクシネマ 」からも当たり、お友達を誘って、行ってきました。
ストーリーは、
1950年代半ばの中央テキサスの小さな田舎町。幸せな結婚生活を送るオブライエン夫妻と、彼らの子供である3人の兄弟。父は、成功するためには“力”が必要だと考え、母は、自然を愛し、子供たちに対しては精いっぱいの愛情を注ぎこむ。だが、3人兄弟の長男ジャックの心は、そんな両親の狭間で常に葛藤していた。大人になって“成功”したジャックは、自分の人生や生き方の根源となった、テキサスの小さな街で家族とともに過ごした少年時代に想いを馳せる……。「父さん、あの時の僕はあなたが嫌いだった……。
というお話です。
最初に書いておきますが、この映画は、映画祭タイプの映画です。監督が映像作家と言われていることからも判るように、はっきり言って、普通の映画ファンが観ても、”ぽか~ん”とします。実際、試写会でも、途中で出て行かれる方も多かったし、終っても”ええ~!”という声が沢山出ていました。
旧約聖書のヨブ記の内容が基になっています。このヨブ記とは。ヨブという、神様に従順な人間が居ました。ある日、神様の下に集まった神の子の中にサタンが居て、神に挑戦をします。ヨブという人間から、全てを奪っても神を敬うのか、それとも恨むのかということです。神は、ヨブの全ての所有物を自由にしてよいが、その身体に手をつけてはいけないという条件付でこの挑戦を受けます。サタンは、ヨブに沢山の災いをもたらしますが、ヨブは決して屈せず、神を敬います。
キリスト教圏の方達は、こういう話を子供の頃から教え込まれているので、この映画の内容も、スッと入ってくるのかも知れません。
話戻りまして、映画は、生命の誕生、そして生命が誕生した時から、そこに愛があったのだということを、自然の映像を用いて、訴えていました。ですから、俳優たちが演じる場面と、自然の素晴らしさを写す場面と半々くらいで、映像作家の作る、映画というよりイメージストーリーという感じです。もちろん内容は、父親と息子、神と人間、男と女、自然と文明という、全ての対比=シンメトリーを取っていて、バランスの良い、素晴らしい映画となっています。
でも、これを面白くて素晴らしいと言うのは、映画オタクと呼ばれる人じゃないかなぁ。難しすぎるもん。私も、観て直ぐは、ちょっとどういう意味なの?って不思議でした。帰ってきて、聖書を調べたり、映画の内容を反すうしてみて、やっと、あ、こういうことで苦しみを浄化したんだねっていうことが解ってきた状態ですもん。
父親は、頑張っているのに上手く行かず、子供には自分と同じような道を歩ませたくないと思って、厳しくするのですが、それが裏目に出て、子供は反発するんですよね。全て、愛のなせる業なのに、子供には伝わらないんです。でも、ブラピが子供を抱く時の様子(手の置き方とか。)が、すごくお父さんしていて、彼も子供を持つ親として、充実しているんだなって思いました。そこには、すごい深い愛が見られます。
父親となっても、一人の人間であり、いつでも自分の至らなさに落ち込み、時には周りに居る人間にあたってしまったりしますよね。でも、子供から観ると、お父さんなのに、どうして自分の事しか考えてなくて、無理に自分の言う通りにさせたいの?って反発します。大人なのに、どうしてって思うけど、でも、自分が大人になってみると、自分も同じなんですよね。やっぱり、上手く行かないことにイライラしたり、自分の子供が思い通りにならないのに、腹が立ったり・・・。どこまで行っても、人間なんです。そんな事を考えさせてくれる映画でした。
アクションやコメディ、ラブストーリーが好きな方には、お薦め出来ませんが、映画を映像芸術のように観れる方や、感覚で観る方には、お薦めしたいと思います。出来れば、聖書の考え方を頭に入れてから観たほうが、解りやすいと思います。自然の映像がたくさん含まれているので、夏には清々しいと思いますよ。
・ツリー・オブ・ライフ@ぴあ映画生活
ツリー・オブ・ライフ - goo 映画
「ツリー・オブ・ライフ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
「東京独女スタイル」 http://www.dokujo.com/
「モデルバンクシネマ」 http://cinema.modelbk.com