先日、「コクリコ坂から」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
東京オリンピックの開催を目前に控える日本。横浜のある高校では、明治時代に建てられた由緒ある建物を取り壊すべきか、保存すべきかで論争が起きていた。高校生の海と俊は、そんな事件の中で出会い、心を通わせるようになる。しかし、俊の秘密が明かされ・・・。
というお話です。
1963年の東京オリンピックの少し前の設定のようで、ハッキリ言って、まったく未知の時代なんだけど、建物とか風景が、今もあるものだったりするので、知っている風景の中で、まったく知らないことが起こっているという感じでした。横浜の雰囲気は、今現在も、この映画にあるような海を見下ろす街で、山下公園、マリンタワー、氷川丸、ニューグランドなど、今も同じ建物が風景を彩っています。

物語の中に、カルチェラタンとか、学生運動とか、なんだか戦後に西洋を取り入れ始めて、使ってみたい盛りという感じで、新しい物をどんどん楽しんでいる若者たちの姿が活き活きと描かれています。とっても元気で、未来に夢を抱いている姿がイイ感じではあるんだけど、ちょっと疲れてしまうかな。現在の社会情勢を考えると、あなたたちの時代の人間が美味しい所を先取りしてしまったから、現代に生きる若者にそのツケが回ってきているんだぞって思ってしまったりして・・・。
ま、そんな時代背景とは別に、主人公の海ちゃんと俊くんは、古い昼ドラのような淡い恋をします。色々な問題も起きるけど、現代の高校生とは違う、純粋でかわいい恋愛が、なんだか恥ずかしくなるほど眩しくて、良かったです。こんな時代もあったのだと思うと、ちょっとタイムマシンで行ってみたいな。
この作品は、アニメ映画としては、面白いと思うけど、子供向けかと言われると、ちょっと難しいんじゃないかなぁ。子供から観ると、楽しくて笑える要素がとっても少ないんですよね。学生運動とか、建物取り壊しとか、戦争で父親が死んだとかって、大人には解るし、時代背景だなぁって思うんだけど、子供にとっては、そんなこと面白くもなんともないんです。魔女の宅急便みたいに飛行船が飛んでくる訳でもないし、もののけ姫みたいにデイダラボッチと戦うわけでもないので、大きな展開がないの。だから、子供には、受けないかなぁって思いました。

声を、V6の岡田くんと、長澤まさみさんがやってらして、どうかなって思っていたけど、全く問題なく、映画の中に入れました。違和感は、一切ありません。そのキャラクターにピッタリ合っています。観ている間は、彼らがやっていると言うことが、頭から外れてましたもん。上手かったと思います。
昔に漫画雑誌「なかよし」に連載されていた漫画が原作だそうで、その漫画は不発だったそうです。確かに、この映画を観ても、子供には受けないかなって思いました。でも、大人が観ると、色々考えさせられるし、若い頃の恋の大切さとか、未来に向かう姿などが、眩しくて、良かったですよ。
7月16日公開です。懐かしい雰囲気の夏を、味わってきてくださいね。
・コクリコ坂から@ぴあ映画生活
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