今日は、三谷さん制作の舞台「ベッジ・パードン」を観てきました。
出演は、野村萬斎さん、深津絵里さん、大泉洋さん、浦井健治さん、浅野和之さんの5人です。
ストーリーは、
明治政府の命を受け、夏目漱石が英国留学へと旅立ったのは1900年のこと。
ロンドンから綴った漱石の手紙には、度々[ベッジ・パードン]なる女性が登場する。
生来の神経症的性質を抱え、漱石は異国の地でどんな人間模様を育んでいたのだろう?
三谷幸喜が描く“のちの文豪”と“ベッジ・パードン”の物語。
です。
出演者が5人なのに、登場人物は沢山いるんですよ。どうやっているかと言うと、浅野さんが、たくさんの役をやっているんです。(笑) あの競馬のCMのように、深津さんの役が多いのではなく、浅野さんの役が、超多いんです。でも、そのキャラクターも、すべて違う人に見えて(顔は同じだけどね。)、素晴らしいです。なんたって、動物まで演じるんだから、笑っちゃうでしょ。
夏目は、一人イギリスに留学し、偏見の目を気にして、あまり話も出来ず、結構、辛い日々を過ごし始めるのですが、下宿をしていた家で小間使いとして雇われていたアニーと心を通わせ、彼女となら、気兼ねなく話せるようになります。イギリスでは異国人、日本からの連絡も来ず、誰からも疎外されたと思っていた彼には、彼女だけが、味方だったんです。そんな二人のラブストーリーと、二人を取り巻く人々を描いていきます。
とにかく、面白くて、笑って笑って、涙ありで、感動しました。面白かったなぁ。三谷さんの前作「国民の映画」より、解りやすくて、楽しくて、私は好きでした。特に、ラブストーリーって、女性には良いよねぇ。今回は、美男美女だし、二人とも上手いし、笑わせてくれるし、特に、大泉さんも出ているので、二人にプラスして面白いんですよ。そして、イケメン浦井さんと、なんでもこなせる浅野さん。もう、これ、外しようがないでしょ。この面白さを上手く伝えられないのが悲しいわ~!!
夏目漱石っていうと、真面目で、浮いた話なんて無さそうな人に見えるし、小説は面白いけど、書いている夏目さんは、結構、面白くない人間のように思っていました。この舞台のような、人間味あふれるステキな人だったという解釈だと、こんなラブストーリーもあったかもしれないし、人間として、良いことも悪いことも自分の中に持っていたのなら、上手く折り合いが付かなくなって、精神的に病んできてしまうというのも理解出来るなって思いました。萬斎さんみたいな、ステキな人なら、不倫でもいいなぁ。(^。^;)
いやぁ~、ホントのこと言って、最近観た舞台の中で、一番面白かったです。他の舞台も面白いんだけど、キャストも完璧、ストーリーも完璧、演出も完璧に思えたし、これ、映画化しても面白いような内容だなって思えました。すごいアクションや、トンデモない展開などは無いけど、なんだかとっても、人間っていうものを感じさせてくれるし、女性のやさしさを感じる内容でした。良かったなぁ・・・。
舞台としては、ここ最近では、一番のお薦めです。メッチャ面白いです。
私、今回、前から3番目のちょっとだけ左側だったのですが、この舞台は、出来れば、後ろの方で、舞台全体が見えるほうが面白いです。もちろん、萬斎さんや深津さんが目前で嬉しかったけど、舞台全体を縦にも使っているので、出来たら引き気味で見ると、上の窓から覗く深津さんや、下の階にいる萬斎さんなど、いろいろ楽しめます。2階席や3階席でも、十分楽しめる作りです。ぜひ、お時間があったら、観に行ってください。
超オススメ作品です。
2011/06/06~2011/07/31
世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)