【BOOK】 「塩の街」 作:有川浩 ソドムとゴモラのように滅びない為に前を向こう! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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有川浩さんの「塩の街」を読みました。彼女のデビュー作です。雷

はっきり言って、これがデビュー作とは思えないほど、ハラハラドキドキの、すごい作品です。


内容は、

塩害により塩に埋め尽くされ、社会が崩壊しかけた東京で暮らす秋庭と、真奈。2人の前を時に穏やかに、時に激しく人が行き過ぎる中で、2人の気持ちは徐々に変わりつつあった。

そして、2人の許へ訪れた1人の来客が秋庭と真奈、そして世界の運命を変えることとなる。

というお話です。


宇宙から塩の塊が落下し、なぜか、その時から”塩害”と呼ばれる、人間が塩になってしまうという奇病が発生し、どんどん人間が減っていってしまう。日本では、東京湾に塩の塊が落下し、都市機能は麻痺、酷い状況の中、塩害と戦い始めるんです。


この”塩害”って、聖書の創世記のソドムとゴモラの話ですよね。ソドムとゴモラの人間は、慈悲などの心を持たず、神様の意思に背いたとして滅ぼされるのですが、その時に、旅人を助けたロトだけが、逃げるのを許されて、妻と2人の娘を連れて急いで逃げるのですが、神様に”後ろを振り返ってはいけない”と注意を受けます。神様の注意を守れなかった妻は、後ろを振り向き、「砂の柱」になってしまいます。忠実に守って逃げたロトと娘は、洞窟に逃げ延び、子孫を残すことになるんです。この聖書の話が元になっているのかなと思います。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ロト

この話、人間が塩害で塩柱になるという奇病なのですが、動物が塩になるとは、一言も書いてないんですよね。だから、地球に害をなしている人間たちのみ滅ぼして、生態系を変えようとした神様の仕業なのかなって思えるんですよ。宇宙人モノだって解釈すれば、別に、問題なく進めるんですけど、もう一つ踏み込んで、考えてみると、エコとかの問題を強く描いているのかなって思いました。


元自衛隊員と女子高生のラブストーリーも絡めてあって、そんなところも楽しめます。女性としては、悲劇的な状況で助け合う男女って、夢ですよね~。なんだか、ステキです。この二人、年齢差が10才ほどなのに、年が違い過ぎるとか騒いでいるんですが、そんなんだったら、家の夫婦はどうなるんじゃ~!!我が家は、14歳差です。(笑) 主人は友達に、今も、”ロリコンだ”と言われて、からかわれています。もー、オバサンになったらどんだけ離れてても一緒よっ!!(笑)


あまり書いてしまうと、面白さに欠けるので、これ以上、あまり書きません。とにかく、面白いです。本当は、映画化して欲しい位の作品なんだけど、映像的に難しいかなぁ。CGでやってしまえば簡単なんだけど、塩の湿った現実感みたいのが、CGで上手く出せるのか不安です。表面はサラサラ~、中は硬いけど、時間が経つにつれて、乾燥して、崩れていくみたいな・・・。塩っていうものを、上手く表現出来れば、ぜひ、映画化して欲しいですね。


オススメ作品です。この梅雨時期、室内でゆっくり、ハーブティーでも飲みながら、ワクワクする世界を体験して欲しいです。楽しんでくださいね。カメ


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以下が、自衛隊三部作の、あと2作です。私も、まだ読んでないんですよ。これから読まなくちゃ。音譜

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