「いのちの子ども」 パレスチナとイスラエルの問題に翻弄される子どもの命・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は、「いのちの子ども」の試写会に行ってきました。天使


ドキュメンタリーなので、ストーリーがあるようで無いんですが、一応、内容は、

紛争の絶えないイスラエルとパレスチナ。余命を宣告されたアラブ人の赤ん坊が、封鎖されたパレスチナ・ガザ地区からイスラエルの病院に運び込まれた。イスラエル人医師ソメフは、ガザの最前線で20年以上取材を続けるイスラエル人TVジャーナリスト、エルダールと共に、民族や宗教の対立を越えて立ち上がる。その想いはただ一つ、“この小さな命を救いたい”。しかし行く手には様ざまな困難と、アラブ人のアイデンティティと母親としての想いの間に揺れ動くラーイダの苦悩があった。
というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-いのち1

2008年~2009年に、イスラエルのTVジャーナリストであるシュロミー・エルダールさんがパレスチナとイスラエルの封鎖線を越えて撮影したドキュメンタリーです。


予断を許さない病気の子どもの命が、宗教政治のせいで、危機にさらされている現状を細やかに追っています。生々しい戦争の映像と、その中を走り回る人の影、死んでいるも同然だと話す子ども、何もかもが酷い状況で、どうして、宗教の違いだけで、これほどに戦わなければならないのか、意味が解りません。


映画後のトークショーで、森達也監督もおっしゃっていたのですが、イスラム教とユダヤ教とキリスト教って、同じ神様を崇めているところから始まっているんですよね。キリスト教ユダヤ教でいう所の旧約聖書、イスラム教でいう所のコーランは、書いた人が違うだけで、同じことを書いているはずなんだけどね。だって、3強とも、預言者アブラハムの宗教なんだから。旧約聖書の創世記に書かれているアブラハムさんにイシュマエルとイサクという二人の息子がいて、イシュマエルの子孫がアラブ人(イスラム教徒)、イサクの子孫(イサクの息子のヤコブの子孫)がユダヤ人なんだって言ってるの。だから、辿ったら、同じおじいちゃんなのに、どうして戦うのかな?不思議です。


ま、宗教の話はおいといて、ガザ地区というところからイスラエルにロケットミサイルをバンバン撃ったから、その報復として、イスラエルがガザ地区にどんどんミサイルを落とすんですけど、その映像の生生しいこと、凄かったです。ニュースとかで観ているのとは違い、本当に戦争をしているというのが、伝わってきました。TVニュースなどで見る映像は、やはり酷いところは抜いているんでしょうね。この映画を観ると、戦争ってこれほど恐ろしいものなのだというのが、こちらまで伝わってきます。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-いのち3

その戦火の中で、自分の子どもは助けたいけど、イスラムの教えは敗れないし、周りの目もあるし、かといって、ただ苦しんで死ぬのを待つ子どもを見ていられないという、本当にどうしようもない状況を、母親の言動や行動から見て取ることが出来ます。そして、彼女の言動から、イスラム世界の女性軽視という考え方も伝わってきました。普通、遺伝的に病気の子が出てくる可能性が高ければ、妊娠をしないようにと考えるのが女性でしょ。だけど、自分の夫を拒むことは許されないんですよね。驚きました。なんて自由が無いんだろう。酷い・・・。


このドキュメンタリーをイスラエルのTVで流したそうです。視聴率は16%。イスラエルの人々は、ガザ地区の人々(敵です。)の映像なんて観たくないと思っているそうですが、このドキュメンタリーの視聴率はとても高く、反響があったそうです。シュロミー監督は、こういう映像を流すことで、パレスチナの人々も同じ人間なのだと認識して、戦争とは人殺しをしているのだと解って欲しいと思い、このようなドキュメンタリーを必死で作っているのだそうです。敵にも子どもが居て、同じように苦しんでいるのだということを理解して欲しい。少しづつでも、人々の考え方を変えていって、いつの日か、手を取り合えるようになれる日を夢見ているとのこと。素晴らしいことです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-いのち4

日本に居ると、イスラエルとパレスチナの問題は遠くの問題で、大変だなぁとは思っていたけど、それほど考えたことが無かったんです。今回、たくさんの子どもや女性が被害者となっていることを知り、納得の行かない出来事がこんなにあるのだという事を知りました。日本は決まった宗教などがないし、日本人も宗教にこだわりが無いので、日本のような中立に立てる国が、もっと力になってあげられれば、何か解決策が見つけられるのではないかと思いました。


日本は日本で、震災などの大変なことがありますが、時には、彼らのように、天災ではなく、人災で死んでいく人々のことも、考えてみてはいかがでしょうか。出来れば、こういうドキュメンタリー映画を観て、少し考えてみてください。あ、でも、途中で、少し眠くなるかも知れません。淡々と家族の不幸な話が続くので、ちょっと疲れてしまうかも・・・。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-いのち2

この映画の後の情勢ですが、ハマスとファタハが和解をし、エジプトへの道が開けたそうです。少しづつ、良い方向に向かってくれることを祈ります。


トークショーには、シュロミ―・エルダール監督、山路徹(APF通信社代表)、森達也(映画監督)、ピーター・バラカン(ブロードキャスター)、小島慶子(ラジオ・パーソナリティ)
がいらっしゃっていました。色々なお話を聞かせていただきました。ユーストームで、このトークショーの模様を流したらしいです。もし、動画としてアップされたら、ぜひ見てくださいね。カメ



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