先日、「クロエ CHLOE」を観てきました。
ストーリーは、
キャサリン(ジュリアン・ムーア)は産婦人科医として成功し、大学教授の夫(リーアム・ニーソン)と息子(マックス・シエリオット)と平穏に暮らしていた。だが、ある日彼女は夫と教え子の浮気を疑い始め、何も手につかなくなる。彼女は偶然出会った美ぼうの娼婦(しょうふ)クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑して欲しいと持ちかけるが……。というお話です。
自分の夫が浮気しているかもって、結構、どこの奥さんも思うことですよね。でも、娼婦を雇って確かめてもらうって、ありえないでしょ。だって、それでのめり込まれたらどうすんの?自分が仕掛けたことで夫を浮気させるってことでしょ。もし、離婚したいからとかなら、そういう作戦もアリだと思うけど、浮気して欲しくないんだったら、この計画は無謀でしょ。理解出来ませんでした。
ネタバレ出来ないから、感想を書きにくいなぁ。でも、観終わってから考えて見ると、誰もが憎しみとかは一切無くて、すべてが愛なんですよ。色々な事が起こって、誰も信じられなくなったりするんだけど、でも、出てくる誰もが相手を愛しているんです。それは、男も女も無く、すべての出来事が愛をつなぎとめる為だったり、愛を貰いたいが為の行為なんですよね。恐ろしいけど、悲しい話でした。
クロエという娼婦は、愛を売る仕事をしていながら、結構、純真な子で、すべてを仕事として割り切れていなかったように思えました。そんな彼女だからこそ、自分に優しくしてくれた大人の女性であるキャサリンに好意を抱いて、レストルームでヘアピンを持っていて欲しいと願うんです。そして、仕事を頼まれたのを期に、少しづつ常軌を逸していくのだと思います。すべてを仕事として考えていられる子なら、こんな事にならなかったのでしょう。
キャサリンは、自分の老いを感じ、年齢と共に魅力的になっていく自分の夫が、自分以外の女性に目を奪われてしまうのは当たり前だという思い込みで、夫が浮気をしていると疑います。まず、疑う前に、自分を年齢なりの磨き方で磨けばいいのにね。私の夫がよく私に言うのですが、まったく化粧をしなくなったら女じゃないから、ちゃんとキレイにしていてくれ、と・・・。今の仕事柄、あまりマニキュアは出来ないんですけど(図面に付いてしまうので。)、出かけるときは、たまにはマニキュアもしなさいと言われます。スッピンでもいいけど、たまに美しくすると、お互いに刺激し合えるし、相手をもう一度見つめるきっかけになると思うんですよね。夫婦は、必ず倦怠期に入るので、ある程度は気にして、お互いに刺激し合うようにしないと、唯のおじさんおばさんになってしまいます。気をつけましょうね。
息子に対して母親って、どうしても気になって口出ししてしまうのだと思いますが、どこかで子離れ親離れをしないと、行く行く、困ったことになると思いますよ。この映画では、キャサリンが息子に、色々注意をするのですが、夫の方が、僕たちもそうだったじゃないかと言って嗜めます。男性の方が、子どもとの距離をキチンと取れるのかなって思いました。色々気になっても、自分の事を思い出して、ガミガミ言うのは辞めた方が良いかも。でも、悪い事は悪いと言うべきだとは思います。最近、子離れ親離れ出来ない女性が多いみたいで、母親と娘がいつもベッタリしている親子を見ることがあります。ハッキリ言って、恐いです。必ず、母親の方が先に死ぬんですからね(たまに反対もあるけど。)。一人の人間として、自分の足だけで立てるようにしてくださいね。
夫婦の関係、親子の関係をとても深くえぐっている作品でした。クロエの行動の裏にも、母親への愛が見えたし、夫婦の愛、親子の愛、そして仕事も愛している人間達の、絡み合う思いがとても良く描かれていて、観ている時も、観た後も、すごく考えさせられる映画でした。大人の女性に、ぜひ、観て欲しい映画です。子供には、ちょっと、この深い愛は、解りづらいかもしれません。とってもステキな映画なので、ぜひ、楽しんできて下さい。
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