先日、「戦火のナージャ」を観てきました。
ストーリーは、
KGBの幹部ドミートリはスターリンに呼び出され、大粛清で処刑されたはずのコトフ大佐の捜索を命じられる。1941年、ドイツの侵攻による混乱の中、コトフは強制収容所から脱出し奇しくも生き延びていた。その頃、ドミートリに匿われて成長した愛娘ナージャも父が生きていることを確信する。やがて看護師となったナージャと、一兵卒として最前線に送られたコトフは、それぞれが地獄のような戦場をさまようのだった。というお話です。

第二次世界大戦時、ヒトラー率いるドイツ軍に攻め込まれ、酷い状況にあったロシア。この1941年に、ドイツがロシアに進軍して、日本にも加担して欲しいと再三要請したようです。結局、日本は要請を無視し、ドイツは敗退したのですが、その時の戦いの時期を描いています。
コトフは、戦争で戦果を上げた英雄だったのだが、粛清によって犯罪者とされるてしまいます。ナージャは、英雄の娘として育っていたのに、いきなり犯罪者の娘とされ、処刑されそうになったところを、コトフの部下だったドミートリに助けられ、彼の娘としてこっそり育ちます。ドミートリは、スターリンの命令でコトフを捕らえた本人であり、その罪のつぐないもあって、コトフの娘と妻をかくまうんです。それが、スターリンに見つかって、捜査を依頼されるのですが、映画の中では、時代が前後して、とても判り難い構成になっていました。観た後、いろいろ頭の中を整理して、理解した状態です。
ナージャは、自分がコトフの娘で、自分の父親の敵であるドミートリを憎みながらも恩人だと思っていて、複雑な思いを抱いているように見えました。少年団の一員として子供の世話をしていた彼女は、戦火の悪化に伴い、結局は、戦争の渦に飲み込まれていきます。
第二次世界大戦と聞くと、どうしても日本中心に考えてしまいがちですが、ロシア側からみた戦争を、この映画で観ることが出来ます。ロシアは、ドイツから攻められて、酷い状態になるのですが、その様子がこの映画に描かれています。酷い状況の中、ナージャは看護師として、戦場で戦い続けます。本当は、父親を探す為に、戦場をさまよっていたのですが、戦争に飲み込まれ、人を助けることが主になっちゃうんですね。
一方、父親も、英雄から犯罪者へ、そして逃亡して、一般兵隊として戦争に飲み込まれながら、娘を探すのですが、こちらも、ドイツとの戦いで仲間は死に、酷い戦火の中、なんとか生き延びているのですが、娘と会うことは出来ず、それでも希望を捨てずに探し回ります。なんだか、戦争って何なのかしら・・・って考えてしまうようでした。
ロシア映画で、2時間半もあり、すごく疲れます。起承転結がキッチリしている訳ではなく、ドミートリがコトフを探しているのが主軸にあり、過去の映像がポンポン組み込まれていくので、ハッキリ言って、とても観にくいです。まして、コトフの時間軸とナージャの時間軸が合っているのかどうかも判りません。だから、観ている方が、想像してつなげていかなければならないんです。辛かった・・・。でも、戦争の酷さは、良く描いていて、ロシアの共産思想下で、良くここまで描いているなって思いました。共産国って、どーも、戦争もキレイごとみたいに描きそうだけど、これは違います。
第二次世界大戦時の世界の状態を知る為には、この映画、面白いかも知れません。ドイツのロシア進行時、日本では何が起きていたのかとか、色々勉強してから観ると、また違った見方も出来るかも知れません。とにかく、長くて、盛り上がりなどが無く、淡々と話が進んでいくので、歴史に興味がある方でないと、辛いと思いますよ。良かったら、観てみてくださいね。
・戦火のナージャ@ぴあ映画生活
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