イタリア映画祭の10作目は、「初任地にて」を観ました。
ストーリーは、
1953年南イタリアに住むネーナは、小学校教師として、故郷を遠く離れた村に赴任することになる。裕福な家庭出身のフランチェスコと付き合っていた彼女は、彼のもとを離れなければならない事に落胆を隠せない。離れていても二人の関係は変わらないいう約束を交わし、赴任地へと旅立つ。赴任地は貧しい村で、女教師に懐疑的な住民たちが多く、ネーナは寂しさを感じていた。そして・・・。
というお話です。

育ちの良い男と付き合って、自分の才能に気がつき、独学で教師の資格を取った彼女は、地方の田舎町に派遣されます。都会で育った彼女は、村に馴染めずに悩んでいるのですが、そんな時に、彼から他に好きな人が出来たとの手紙が届くんです。マジ勝手な男ですよね。ま、離れてるから、仕方ないと言われればそうなんだけど。自縛放棄になった彼女は、つい、近くにいた青年と寝ちゃうんですよ。ちょっと、それはダメでしょって思ったら、案の定、人に見られていて、仕方なく結婚する羽目に・・・。笑っちゃうけど、真剣な話なんですよ。
結婚した青年は、世話してくれる人の甥で、田舎の青年だから、ある程度は遊びもするけど、純朴でやさしい人。ネーナが他に好きな人がいるという事も解っていても、夫婦として生活し、彼女に手を出さないんです。いい人でしょ~。良すぎるよね。少しは怒れば良いのに。ネーナは、そんな彼を解っていながら、故郷に残してきた好きな人をずっと思っているんです。

ネタバレしても良いかなぁ。こっから、ネタバレになってしまいますが、彼から”他に好きな人が出来た”との手紙を貰って、落胆するネーナは、村のジョヴァンニと寝てしまうんですね。で、結婚までしてしまうのですが、これって、ジョヴァンニの気持ちを一切考えて無いじゃないですか。彼は言うなりになるけど、でも、彼も悩んでいるんです。その悩んでいる気持ちが、表情に良く表れています。
結婚後、少し落ち着いてきた時に、またも、フランチェスコから手紙が来て、”やっぱり彼女はダメでネーナが好き”みたいなこと言うんですよ。もー、とんでもない男だわっ!!こういう優柔不断な男は、一回、どん底に突き落としてやらないとダメっすね。でも、ネーナは、またも振り回されてしまいます。

そして、彼女の出した結論とは、ってことになるのですが、結構、感動しますよ。
やっぱり、女性は、愛するより愛された方が幸せなんだと思いました。もちろん深く愛することは必要だけど、それ以上に、相手から愛されて包まれている方が幸せなんだと思います。スキスキ~ってアプローチするのは良いけど、両思いになった時点で、彼が、自分を愛で包んでくれるような人なのかどうかを見極めた方が、後々、幸せになれるのではないかと感じる映画でした。何かあった時、大丈夫だよって抱きしめてくれるパートナーって必要ですよね。いつも気分で変わられちゃったら、溜まんないですよ。(笑)
この映画、結構、良かったなぁ。イタリア映画なんだけど、雰囲気が北欧映画っぽいと思いました。私は、お気に入りの1作です。女性の気持ちを、良く表してくれていたと思います。日本公開、あると良いなぁ。