イタリア映画祭9作目は、「もう一度キスを」を観ました。
ストーリーは、
同監督の「最後のキス」という作品から10年、彼らはどうなったのかというお話。妻と別居し、離婚手続き中のカルロは、一人娘となかなか会えない。マルコは不妊のことで妻と諍いが絶えず、妻は若い男の恋人を作り家を出る始末。アルベルトは、色々な女性と情事を楽しんでいる。長旅から戻ったアドリアーノは、捨てていった妻子が気になってしょうがない。パオロは、友人のアドリアーノの元妻と付き合っていることを言い出せず、不安定な精神状態がもっと悪くなっていた。そして・・。
というお話です。

夫婦も、10年になると、倦怠期もあるだろうし、すれ違いも出てきますよね。この映画の中では、前作で熱烈な恋愛をした二人が、既に離婚手続き中という、すごい展開です。夫のカルロは若い恋人と、妻のジュリアは売れない役者と暮らしていて、娘の世話は、二人でやっている状態です。目を付き合わせれば、相手を罵る言葉が出てきて、こうなると辛いなぁって感じでした。
主人公を中心に描いていますが、友達夫婦などなど、子供の頃から一緒に育ってきた友人同士のオムニバスっぽい映画です。
マルコは、真面目なビジネスマンで、仕事ばかりですが、奥さんには不自由をさせていないと思っていたんです。唯一、二人の悩みは、子供が産まれないということ。悩んでいた妻は、街中で知り合った若い男性と恋に落ち、駆け落ち同然で家を出て行きます。マルコは激怒し、殺してやる~とか叫ぶのですが、これが笑えてしまうのは何故だろう・・・。(笑)真面目なんだけど、何故か面白いこの夫婦をお楽しみに。

アドリアーノという男性は、長旅から戻ってくるのですが、彼は昔、結婚し、子供が産まれて、段々と縛り付けられるのが怖くなってしまい、妻子から逃げて、旅に出たんです。妻は、今更戻ってきてもって事なんですが、一応、子供は父親を覚えていないので、会わせようかどうしようか、悩みます。アドリアーノは、今更ながら、自分に子供がいるという事を受入れ、責任をとりたいと思っているのですが・・・。この展開も面白いですよ。
そして、この家族に、パオロという仲間の一人が絡んできて、問題になります。パオロは、少し精神を病んでいて、クスリを飲んでいないと鬱になり、大変なことになってしまいます。普段は、とても良い男性なので、アドリアーノの元妻と、付き合っているのですが、こちらもどうなることやら・・・。
アルベルトは、好き勝手にしている、一番の自由人です。彼についての話は、あまりありませんでした。

見所は、やっぱり主人公夫婦かな。別れようと、離婚手続き中にも関わらず、相手がとっても気になる二人。お互いに、それぞれ恋人がいて、上手く行っているんだけど、なんだか、心底嫌いになった訳じゃ無さそうで、面白いんですよ。この妻のジュリアを観ていると、女性がいかに、意地っぱりで、本当の自分を分析出来てなくて、言っていることと行動がかみ合わないという、不条理な生き物なのかということが解ります。私も、良く、会社でも家でも、言っていることとやっている事、違ってるじゃんって怒られるのですが、自分では無意識なんですよ。言っている時は、本当にそうだと思っていて、行動しちゃった時は、それが良い事だと思っているの。だから、自分でも、良く解ってないんですよね。女性は、トンでもない不思議な生き物なので、男性の方、許してくださいね。(笑)

とても人間を良く観察している監督が作っているのではないかなって思いました。人間の描き方が上手いと思える映画です。この映画、前作と一緒に、日本公開してくれないかな。続けてみたら、面白いと思うんだけど・・・。この前の作品は、明日、映画祭で上映するので、順番が逆ですが、感想を書きますね。
出来たら、「結婚って、どうよっ!!」特集として、日本で上映して欲しいなぁと思いました。