イタリア映画祭、6本目は、「アルデンテな男たち」を観ました。この映画は、「あしたのパスタはアルデンテ」という邦題で、夏に日本公開される作品です。
一言、書かせていただくと、この邦題「あしたのパスタはアルデンテ」ですが、この題名だと、パスタ料理のコックとかが絡んでのラブストーリーに思えてしまうので、「アルデンテな男たち」の方が良かったのではないかと思いました。それも、男の所を「オ・ト・コ」に変えると、もっと楽しめて、流行ると思うんだけどなぁ。だって、今、オネエというか、ゲイ関係流行でしょ。それを消してしまうなんて、勿体無いっ!!そこから押してくれれば、観る方も、興味が沸いて、映画館に向かうと思うんですけどね。

ストーリーは、
ローマに暮らすトンマーゾは、家業のパスタ工場の経営権を動かす為の書類にサインをするために、南イタリアの故郷レッチェに戻る。そこで彼は、パスタ工場を手伝っている兄に、自分がゲイで小説家志望だからパスタ工場の経営は、すべて兄に譲りたいと相談する。ゲイと告白すれば勘当されるからだ。そして、家族会議当日、トンマーゾが告白しようとするその時、兄のアントニオが制止し、自分がゲイだと告白する。あまりの突然のことに、家族は、大騒動になり、父親は発作を起こし倒れてしまう。そして・・・。
この映画、すっごく面白かったです。日本公開、決まるの当たり前でしょ。どうしてもっと早く来なかったのかな。何故か、映画の宣伝には、ゲイとかオカマとかの言葉は消えているのですが、この映画では、もし、今まで普通に暮らしてきた家族が、同性愛だと告白されたら、どれほどのショックを受けるかということを描いていて、秘密を告白することによって、何が起きるのか、そして、孫の告白によって、長い間押し殺していた秘密を懐かしみ、家族を一つにする為に、創業者のおばあちゃんが取った行動は・・・ということなんです。どうして、ゲイの話を秘密として紹介してるのかなぁ。不思議です。

もし、もう30歳にもなる息子に、同性愛だと告白されたら、確かに、親は、ぶっ倒れるかも知れませんね。別に、今では、それほど珍しい事でもないんだけど、この舞台になっている田舎町では、それはそれは、スキャンダラスな事で、お父さんは、恐くて外も歩けなくなります。可哀想でしょ。でも、仕方ないですよね。それは、治せることじゃないですから。

お父さんの驚きようと怒りようは、酷く見えるかも知れませんが、やっぱり普通は、簡単に「お、そうか。」って言えないですよ。それって、人間が動物として生まれたときに、神様が、繁殖という使命を果たす為に異性と交わるようにと決めた時点で、同性と愛し合うことに違和感を感じるようにプログラムしたのだと思うんです。段々と、そのプログラムも薄れているけど、でも、消えないんだと思うんですよ。だから、簡単に理解してもらおうと思っても、難しいと思います。根気良く、納得して貰わないとね。
映画の冒頭に、花嫁が走っている場面があって、ある男性のいる場所に行くのですが、その風景がとても美しいんです。花嫁とイタリアの太陽の光と深緑、そして石作りの美しい階段。他にも、イタリアの美しい風景がたくさん盛り込まれていて、映像を観るだけでも、とても楽しめると思いますよ。

もう一つのお楽しみは、超イケメンのオ・ト・コたちが、その素晴らしい身体で、ダンスを踊ったり、歌を歌ったり、本当に楽しそうに、盛り上げてくれるところです。どうして、こんなイケメンがゲイなのよ~!!勿体無い~!!ハッキリ言って、女性が思うのは、どうしてその美しい身体を女性のために使ってくれないの?っていう事です。いつもキレイなゲイの人を見る度に、最近の女性で、結婚はしなくても良いから子供だけ欲しいっていう人も居るのだから、そういう人に遺伝子分けてあげればいいのにって思うんです。そうすれば、ゲイの人の子供も残る訳でしょ。男性同士だと、そのまま終わってしまうから、出来たら先に続くものを残してみることも考えてみたら、なんだか、ステキなんじゃないかなぁ。

この映画、男性主役の映画だと思っていると思いますが、観終わってみると、芯が残る絶妙な歯ごたえ(アルデンテ)のある男を包み込む、トマトソースのような女性達。トマトソースは、味が深くて、甘くてちょっと酸味があって、パスタと絡み包み込んで、とても美味しい料理となる。そんな映画でした。男性の周りで包み込む女性のやさしさを、ぜひ、味わってきてください。