今日は、「岳-ガク-」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
世界の巨峰を登り歩き山をこよなく愛する島崎三歩(小栗旬)は、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守ってきた。春、長野県警山岳救助隊に配属された椎名久美(長澤まさみ)は三歩の指導のもと成長していくが、実際の現場では遭難者を救うことができず自信を失っていた。そんなある日、猛吹雪の冬山で多重遭難が発生し、久美は仲間と共に救助に向かうが……。
というお話です。
登山って、どうしてやるのかなって、私には、七不思議のひとつでした。苦労して、危険を冒してまで登る価値があるのか、理解が出来ません。だけど、登っても何も無いんでしょって思っていた私ですが、この映画で、登る人の気持ちが少し理解出来てきたような気がしました。なんとなく、一生懸命努力して登っていくうちに、モヤモヤした気持ちとかが、スッと開放されて行くのかなって・・・。それまでの自分の人生をポジティブに考えることが出来て、気持ちを明日へ切り替えることが出来るのかもって思いました。
この映画、山岳救助隊のカッコイイ活躍を描くのかと思っていたら、全然違って、主人公の三歩は山岳救助ボランティアだし、救助隊と一緒に活動するんですけど、仕事としてやっているのではなく、山が好きで、山の一部になったような生活をしていて、自分の好きな山で命を落とす人が出来るだけ減るように努力をしている人なんです。カッコイイことなんて少なくて、地べたを這いずり回って人を助ける努力をしても、救助出来ない事も多々あり、山がどれほど恐ろしいかを、現実的に描いています。
良く、ニュースで遭難者のことをやっていますよね。もちろん、天候がいきなり変わって、どうしようもなく遭難してしまう人も居るでしょうけど、軽装備だったり、天候情報を聞かずに山に入ったりする、事後自得の登山者も多いかと思います。そんな自業自得のアホたちが、簡単に救助隊を呼んで、助けに来たら”遅い”と罵倒したり、もし救助に失敗すれば、人殺しと罵ったり、トンでもない人間も多い中、それでも助けに周ってくれる救助隊の献身的な活動に、頭が下がりました。
先日、TVを見ていたら、自衛隊の人に吹き掃除までさせている避難住民の方を見ましたが、拭き掃除くらい、避難住民の皆さんでやったらどうでしょうか。これって、山で救助隊の人に罵倒を浴びせている人とそれほど変わらないのではないかと思いました。自衛隊の方は、危険なところに行って活動をしてくれているんです。その上、体育館の拭き掃除までやらせるって、人間としてどうなんでしょうか。もちろん、避難している人は大変だと思います。でも、出来る事は自分達でやっても、バチは当たらないのでは?被害にあって、私は可愛そうなんだから、やってもらうのが当たり前って思うのは、やっぱりおかしいと思いました。
三歩は、山にずーっと居るんですが、どうやってお金稼いでいるのかなって不思議でした。ボランティアって、お金貰わないんですよね。救助隊の人は公務員だけど、三歩は違うもん。出来れば、その部分も、セリフだけとかで良いので、納得出来るようにして欲しかったな。ボランティア団体とかからお金出てるのかな?
小栗くんは、真面目な山男という感じで、この三歩という役にピッタリでした。原作マンガだと、もう少しムサい男に見えるけど、今回はちゃんと、小栗三歩になっていました。そして、長澤さん演じる椎名は、新人救助隊員で、結構、イライラするタイプの女でしたが、三歩に付いて色々勉強して、アマチュアからプロへとどんどん成長して行きます。この椎名の成長も、見所ですよ。長澤さん、上手く演じられていました。
そうそう、三歩の親友役で、波岡さんが出演されていました。この波岡さんって、本当にたくさんの映画やドラマに出ていて、良い人から悪い人まで、どんな役でも感情表現豊かに演じられていますよね。とっても上手いので、重要な脇役の一人だなっていつも思います。十三人の刺客では刺客の一人、クローズでは裏切り者で両校の間に立つ生徒、SPでは悪事を企む官僚の一人と、どれも脇役なんだけど、印象に残るんです。上手いよなぁ。これからも、楽しみな役者さんです。
この映画、私は、お薦めしたいと思います。スッキリして、感動出来る話ですよ。大人でも子供でも、観た後、何か感じるものがあるのではと思います。ぜひ、観に行ってください。そして、夏に山登りでも行ってみたらいかがでしょうか。但し、山岳救助隊の方に迷惑をかけないようにお願いしますね。
・岳 -ガク-@ぴあ映画生活
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