今日は、「ピンク・スバル」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
ズベイル(アクラム・テラウィ)は、パレスチナとの境界線沿いのイスラエルの街タイベに住んでいる。数年前に妻を亡くし、妹アイシャ(ラナ・ズレイク)と2人の子どもたちと共に暮らす彼の夢はメタリック・ブラックのスバルを手に入れること。20年かけて貯蓄し、ようやく念願の愛車を手に入れるがすぐに盗難に遭い……。
というお話です。
イスラエルとパレスチナ境界線に実在する車泥棒の街を舞台に、日本人監督が撮影した映画です。イスラエルはユダヤ人、パレスチナはアラブ人、そこに日本人が絡んで、面白い作品に仕上がっています。
日本語、英語、アラビア語など、多国籍の言葉が飛び交い、パワフルな人々が動き回るので、最初は、何がどうなってるのか、不思議な感じなのですが、段々と、彼らの生活や言っている事が理解出来てくると、なーんだ、日本の下町のおっさんおばさんと同じじゃんって思うんです。国や言葉が違っても、人間は、同じなんだなぁって、人情って、あるんだなぁって思いました。面白かったなぁ。
住んでいる人の大半が、昔、車の泥棒をやったことがあるような街なんですけど、泥棒が悪い事だっていう事は、ちゃんとみんな理解しているんです。でも、街全体の、一つの産業のようになってしまっていて、止められない。そして、一応、組織的になっていて、誰に頼めば探せるとか、仲間の車を盗んだら許さないとか、色々取り決めがあるんですよ。
主人公の車が盗まれたときも、こういう街だからこそ、直ぐに見つかりそうな気がするんだけど、ま、そこが難しいところなんですよね~。色々あるのよ。ズベイルは、一生懸命、自分の恋人を探すように、走り回るんですが、大変なんだよねぇ。たくさんの人が協力してくれるんだけど、何故か見つからない。その訳は、映画を観てのお楽しみです。
それにしても、イスラエルに、富士重工=スバルしか車を輸出していないんですね。驚きました。今、日本国内では、スバルの車って、見ることが少ないくらいでしょ。ほとんど、日産やトヨタか、又は軽自動車ですよね。スバルのあの星マークって、最近、見ないよなぁ。そんなスバルばかりが走っている国って、面白い。こんなに、車を喜んでくれる国なんだから、もっと輸出すれば良いのに・・・。こんなに日本国内の需要が減っているんだから、どんどん海外に出て行かなきゃねぇ。
もう一つ面白かったのは、イスラエルとパレスチナと言えば、宗教が違う地域で、日本では紛争している映像しか観た事が無いでしょ。それなのに、この映画を観ると、普通の人達が普通の生活をしているということが分かります。ちゃんとレストランもあるし、色々な民族が生活しているし、結婚を喜んだり、お金を貯めて車を買ったり、普通の生活があります。そして、住んでいる人々も、私達と同じように幸せを望んでいるの。それが、とっても温かいというか、身近な感じに思えました。
映像のアングルは、それほど凝っているとか、こだわりとかは無さそうに見えましたが、乾いた土に強い日の光は、なんとなく砂埃で黄色めに取られている映像に、きちんと映されていました。空気が映像に撮られているような感じかな。
いやいや、本当に面白かったです。新人の監督さんなのに、凄いなぁって感動しました。出口を出たとき、監督がいらっしゃったので、サインをしていただき、面白かったですよってお話したら、「この街って、僕には昭和が感じられたんです。」っておっしゃっていて、ああー、そうかぁって思い返しました。なんか、あの、懐かしいというか、下町のように感じたのって、昭和の感じだったのかもって・・・。
なんだか、温かい感動をもらえて、笑える映画なので、ぜひ、楽しんできて下さい。私は、好きな映画ですけど、単館系がダメな方には、あまりお勧め出来ないかな。映画祭とかで上映されるような作品です。後からジーンと来る感じ。普段のTV映像などでは見れない、イスラエルやパレスチナの姿が見れるので、その地域などに興味のある方にもお薦めしたいです。
それにしても、ピンクのスバルって・・・。合わない・・・。(^_^;)ま、そこが笑えるんだけど・・・。
・ピンク・スバル@ぴあ映画生活
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