今日は、「クレアモントホテル」を観てきました。
ストーリーは、
ロンドンの街角にある長期滞在型のホテル「クレアモント」では、人生の終着点に近づいた人たちが暮らしていた。それぞれに孤独ながらも遊び心を忘れない滞在客たちの一人、パルフリー夫人(ジョーン・プロウライト)は、ある日、小説家志望の青年ルード(ルパート・フレンド)に孫のふりをしてほしいと頼む。
というお話です。

チラシを観ると、老人と若い男性の恋愛物かと思ったのですが、全然違いました。(笑)とってもステキな映画です。年を取ったら、出来れば、自分が最後を迎える場所は自分で決めたい、最後は安らかに眠りたい、そんな誰もが思う気持ちを描いているような映画でした。
パルフリー未亡人は、今まで娘の下で庇護されて生きてきたのですが、最後くらい自分の意思で自分の足で生活して、昔を思い出しながら夫の下に逝きたいと思ったのだと思います。一人、クレアモントホテルに越してきて、自分と同じような住人がたくさん居ることに気が付いて、なんとなく和むんです。酷いホテルだって誰もが思っているんだけど、同じような境遇の人間が集まって、ひっそりと、助け合って過ごしている。なんとも暖かいホテルで、生きているっていう事が、とても幸せに思えてくるんです。

と言っても、同じホテルにいる住人は、どちらかと言うと、ウザい人ばかりなんですけど、それぞれ個性があって、面白いんですよ。そんな住人に、ちょっとした嘘を言ってしまった事から、パルフリー夫人は、ルードという青年を自分の孫として、住人達に紹介することになっちゃうんです。なんとも、ステキな出会いなんですけどね、これが。

このルードも、色々悩みがあるんですけど、でもパルフリー夫人と出会い、過ごしていくうちに、自分の親の気持ちとか、自分が判らなかったことが理解出来て、どんどん成長していくんです。彼女も出来たりして(それも、超ステキな出会いです。)、パルフリー夫人に会って、未来が開けていく感じなの。
パルフリー夫人は、ルードの中に、亡き夫アーサーの面影を見つけて、彼と一緒に、アーサーとの思い出を辿って、懐かしむんですよ。こういう気持ちって、すごく解ります。女性って、昔好きだった人(夫じゃなくても。)と行った場所とかって、とても大切に覚えていて、そこは、いつまでも変わらないであって欲しいって思うんですよね。それは、なんていうか、自分の懐かしい大切な思い出なんです。

お年寄りなので、イラだったり、キツいことを人に言ってしまったりすることもあるのですが、パルフリー夫人は、普段、とっても上品で、思いやりがある、常識的な方なので、周りの人も心配してくれるんです。やっぱり、年を取って、ただ偏屈なだけでは誰も相手にしてくれません。出来るだけ、周りの人に優しくすることって、大切だと思います。いつも思いやりを持って人に接していれば、必ず自分の辛い時に、力になってくれる人がいるんです。そういうことを感じさせてくれる映画でした。

家族も大切だけど、いつも自分の周りにいて、思ったり思いやったりしている人達って、家族以上に大切になることもあるんですよね。人の思い、人との関わりを大切にするということを、静かに教えてくれる映画です。ぜひ、大切な人と観に行ってください。私は、すごくお薦めしたい映画です。
あ、そうそう、ルード役のルパート・フレンドは、超イケメンで、ステキです。
・クレアモントホテル@ぴあ映画生活
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