先日、「アブラクサスの祭」を観てきました。
ストーリーは、
僧侶の浄念は、福島の小さな町で妻子と共に暮らしている。かつてロック・ミュージシャンだった彼は、音楽への狂おしい思いからノイズが聞こえるようになり、うつ病と診断されたことがある。何事にも不器用な彼は、法事や説法すら思い通りにいかない。そんなある日、この町でライブをやりたいと言い出した。彼を温かく見守っていた妻の多恵やよき理解者の住職・玄宗は困惑するのだった。というお話です。

お坊さんにロックって、結構合っているなって思ったのは、私だけじゃないだろう。あのお経を読むときのテンポって、ロックに通じるところがあるよなぁ。スネオヘアーさんがやっているからなのか、音楽もしっくりきてて、なんだか、良かったです。

このお坊さんは、ウツで、抗精神剤らしきものも飲んでいるんですよ。以前は、そういった病院にも入っていたということで、やっぱり、周りの人が心配しているんです。身近な人は、何かやらかして人に迷惑をかけるんじゃないかとか、ちょっと遠い人は、何か悪いことをして、こちらまで迷惑が及ぶんじゃないかと心配します。もちろん、病気のせいだと解ってはいても、自分の理解出来ないものは怖いと思います。私も、そういう人が身近に居れば、心配になりますもん。だから、そういう病気の人って、本当に生きるのが大変だと思います。いつも奇異の目で見られるし、それを見返すほどの強さも自信も無い。でも、諦めないで欲しいんです。何か、周りの人とつながれる絆のような、そんなものを見つけられるように、少しづつ、一歩づつで良いので、動いてみて欲しいと、この映画を観て、思いました。
結構、笑えるところあり、泣けるところありで、私は面白く観せていただいたのですが、大きな波がある訳ではないし、ウツの浄念さんが、どうやって自分の病気と向き合っていくかの話なので、誰にでも受ける映画ではないと思いました。以前も書いたことがあるのですが、病気は、同じ病気になったことのある人でないと、本当の気持ちは解ってあげられないと思うんです。どんなに頑張っても、同じ気持ちは無理だから、少しでも、こういう映画で、こんな風になるんだよってことを教えてもらえると、対処の仕方が解るかなって思いました。理解は出来なくても、酷くする事は避けてあげられるかもしれないしね。
ウツでも、そうでない人も、どちらもが怖がって、遠巻きにしていたのでは、解り合えないし、何かのきっかけで、近づくことが出来れば、少しは解り合えると思うんです。それに、周りの人が自分に愛情を持ってくれているんだって思えれば、病気も良くなるかも知れないでしょ。人間、それほど捨てたもんじゃないと思いますよ。見回してみれば、味方がたくさん居ますから。
お坊さんという、信仰の厚い人がロックをやるということに、とても違和感を覚えて、批判する人もいたりするのですが、その一生懸命な姿に、理解を示していきます。やっぱり、人が必死にやっている姿って、感動を与えますよね。地方の小さな町の住民が、段々と理解を示していく姿が、結構、ステキだなって思いました。おばあちゃんでも、テンポが同じなら、もしかして受け入れられるかも知れないよね。(笑)
私は、この映画、面白いと思いました。内容的には、地味なので、眠くなったり飽きたりすることがあるかも知れませんが、ウツって、こんな風になるんだなーって、ゆっくり、客観的に観れるので、とても勉強になりました。周りの対処の仕方とか、色々・・・。自分だって、何かのきっかけでなるかも知れないですもんね。ま、ならないように、テンションあげて、ポジティブシンキングで頑張りたいと思っていますけど・・・。(笑)
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