【舞台】「時計じかけのオレンジ」 究極の暴力の中に見る、人間とは・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

今日は、舞台「時計じかけのオレンジ」を観てきました。オレンジ


ストーリーは、

近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループの首領アレックスは、ある殺人事件で仲間に裏切られ、ついに投獄させられてしまう。そこで彼は、攻撃性を絶つ洗脳の実験台に立たされるが……。

というお話です。


この「時計じかけのオレンジ」は、キューブリックが映画化する前に、原作がアメリカで発売されたとき、最終章を削って出版されたため、映画も最終章の前がラストになってしまっているそうで、今回の舞台は、アンソニー・パージェスによる原作を元として、最終章も付け加えた内容になっていました。でも、この最終章、私は、蛇足だと思っていますけど・・・。映画のファンの私には、キューブリックの最後以外、考えられないんです。あの後の事は、観た人が考える事で、作者に誘導されたくないんだけどなぁ。ま、ちゃんと完結した方が良い人も多いので、良いかも知れないけど・・・。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-オレンジ

舞台を観ていて、キューブリック映画の、あのシニカルでゴシックで、恐怖と嗤いが混ざったようなマーブル調の空気が、良く表現されていました。ですから、私は、とても満足出来る舞台でした。

結構、頑張っていて、そこまでやるんだっていうような場面(レイプなど)も描いていたし、ヌード場面もあり、驚きました。確かに、その場面が生々しくないと、アレックスの洗脳に繋がらないんだけど、よくやったなぁって思います。


小栗くんは、とてもアレックスのイメージにあっていましたね。あの狂気、笑っているのに眼が笑わないとことか、奇妙な動きの中に美しさがあるのがアレックスなんですけど、それにピッタリでした。周りを、吉田さん、橋本さん、山内さんなど、舞台の大御所の方が締めているので、安定していて、とても楽しめました。武田くんも、上手いですね。ええっ、武田くん?っていうほど、色々な役をやり分けていて、ビックリです。ムロさんも、とっても面白いしね。高良くん、舞台初めてにしては、まったく他に負けていませんでした。もっと舞台に出て、経験を積んだら、すごい役者になるんじゃないのかな。舞台だと、声の出し方とか表現の仕方が、映画やTVとはまったく違うから、経験を積むと、演技の幅が広がるんじゃないかなぁ。あ、ちょっと偉そうな事書いて、スミマセン。


そうそう、映画や原作を知らない人が、この舞台を観ても、いきなりナッドサッド語とかを使っているので、意味解らないんじゃないかなぁ。セリフの端々に、このナッドサッドが使われているから、普通の演劇を観に来た人には、???って事になりかねないと思います。


最後に、ラストについて書かせてください。少しネタバレになってしまうかも知れないけど、どうしても言いたい。映画版では、アレックスが洗脳前の状態に戻って、狂気と自由を手に入れて終わるのですが、そこで終わってくれたからこそ、色々な未来を想像出来たんです。アレックスは、16歳で投獄、18歳で自由になったのですが、これからどんどん年を取る。年を取れば、身体も動かなくなるし、責任も重くなるし、自分の面倒は自分で見なければならなくなる。そんなこと、誰でも解りますよね。だからこそ、先は描かないで欲しかった。解ってる事なんだから、わざわざダメ押ししてくれなくても、解ってるよって感じなんです。そこだけが、気になりました。でも、原作では、そうなっているんだから、忠実に舞台化するなら、仕方ないとは思うのですが・・・。


とにかく、面白い舞台でした。映画ファンだったからというのも有るかも知れませんが、舞台から目が離せなくなります。私は、とってもお薦め舞台だと思います。この値段払っても、惜しくないもん。キューブリック映画版のファンで、小栗くん、高良くんファンの私にとって、夢のような舞台でした。パンフも買っちゃった。

もし、機会があったら、ぜひ観に行ってください。この舞台は、楽しいです。そして、人間とはって考えます。カメ


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