今日は、「のぼうの城」を読んだので、その感想を・・・。
ストーリーは、
戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は、関東の北条家に大群を投じた。その中に支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。石田三成の二万の大群に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊からとった「のぼう様」と呼ばれる御仁。どのように石田の軍に対するのか・・・。
というお話です。
小説では、この”のぼう様”、図体が大きくて、ぼんやりしている不器用者と呼ばれています。はっきり言って、どう考えても、頭の切れる武将という感じではないのに、何故か、上手く戦っていくんですよね。戦って、刀を交えるだけではなく、人の心を動かす事で、戦えるということが描かれています。これは、現代の会社経営とかに、とても繋がると思いました。
だって、刀や槍を持ったら百人力っていうような人もいるんだけど、そんな人達より、よっぽど、ぼんやりしている”のぼう様”の方が、人の心を掴んでいて、力を持っているんですよ。ビックリですよね。それも、策略を練っているというイメージではなく、本当にそんなこと考えてたの?たまたま、そうなっただけじゃないのっていう感じに見えてしまうところが凄いんです。
でもね、読み薦めていくと、すごい考えに考えて、策略を練っていたんだっていうことが解っていきます。但し、腹黒いとかじゃないですよ。素直で、すごく良い人ならではの、考え方なんだと思います。人を裏切らず、堂々として、人を信じる心で人を動かすという、素晴らしい武将なんです。
ただ、力やお金で人を動かそうとすると、必ず、ほころびが出てくるということが描かれています。人の心って、複雑で、機械のように、1データを入れれば、10まで進めてくれるというのとは違うんです。それがとても良く解りました。
この映画、秋に公開となっていますね。どうなるのかなぁ。長親役を野村さんが演じるのですが、図体がでかくてボンヤリしているっていうイメージとちょっと違う気がするんだけど、どうなのかなぁ。野村さんのイメージって、陰陽師なんですよね。繊細で思慮深い。ま、この思慮深いところは、長親にも通じてるかな。あと、三成が上地さんっていうのも、ちょっとどうかなぁ。小さくて頭脳明晰、戦略家って感じのキャラクターなので、上地くんだと、とっても良い人っぽくて、三成の嫌らしさが出なさそうなんだけど・・・。でも、まぁ、彼らの事だから、イメージを上手く演じてくれるんだろうなぁ。他のキャストは、なんとなくイメージピッタリっぽいかな。とにかく、とっても楽しみです。
明日は、小栗くんの「時計じかけのオレンジ」の舞台に行ってきます。感想、楽しみにしていてね。