先日、「レオニー」を観てきました。
ストーリーは、
1901年、米国の名門女子大学を卒業し教職に就いていたレオニー・ギルモアは、ニューヨークで新進気鋭の日本人詩人ヨネ・ノグチこと野口米次郎に雇われ念願の編集者になる。文学上のパートナーだった2人の関係はやがて恋愛へと発展しレオニーは妊娠するが、ヨネは逃げるように帰国してしまう。意を決して男子を出産したレオニーは、日露戦争を経て日本人への差別が激しくなると幼い息子と共に日本へ旅立つのだった。
というお話です。
若い頃からちょっと変わり者のレオニーは、平凡に生きる事は退屈だと考えていて、とっても自由な強い女性だと思いました。そして、その頃アメリカでは珍しかった日本人と恋に落ちるなんて、出来すぎって言うほどのロマンチックな話ですよね。
ニューヨークで夫婦のように暮らしていた野口とレオニーなのですが、野口は情熱的なレオニーではなく、日本の女性を選んで結婚してしまうのですが、ちょっと酷いですよね。だって、子供も出来てるんですよ。普通、許せないです。時代が戦前ということで、今とは違うのかも知れませんが、こいつ!!って、野口の事を思いました。やっぱり、女から見ると、”敵”って思えました。調子いいんですもん。ムカつくっ!!
そんな両親の元に生まれたイサム・ノグチは、母親と生活しながら、色々な事を学んでいきます。驚いたのは、まだ、10歳くらいの時に、自分の家を設計しているんです。ビックリしました。映像の中に出てくる建物と同じものを設計したのではないかも知れませんが、丸窓や窓から見える風景を計算して設計に取り入れるというのは、素晴らしいです。ピカソも3歳ぐらいで、ねずみのデッサンをしてたっていうから、やっぱり、天才は違うよね~。
そうそう、この映画の見所というか、今までと違うところは、観る立場が、日本人の目ではなくて、日本にいる外国人の目から観ていることですね。面白いと思いました。ハーフのイサムは、日本人からもアメリカ人からも苛められるし、レオニーは野口を頼ってきたのに酷い扱いだし、言葉も通じないし、僅かに言葉が通じる人を頼るしかなくて、見ていて、その苦労が伝わってきました。
それと、結婚していない女性が子供を産んで育てているというだけで、これほど日本で迫害というか、非難の目で見られるのに驚きました。やっぱり昔は、許されないことだったんですかね。だって、昔だからこそ、愛人とかがおおっぴらにいたんじゃないのかな?なんだか、日本って不思議な国だなって、住んでいながら思ってしまいました。
イサム・ノグチが、こんな生き方をして、素晴らしい彫刻やデザインを生んできたのだと知り、驚きました。本当に才能があって、頭が良かっただけじゃなくて、運も良かったのだと思います。母親との異国での体験も、父親が居ない家も、兄弟と言っても父が違う妹も、すべてがレオニーという女性が生きた証で、全てを見ていたイサムに吸収されて、芸術として吐き出されたのでしょう。
私は、この映画、ステキだなぁと思いました。女性が観ると、必死で生きたレオニーという女性の姿の中に、自分と似たものを一つ二つ見つけられると思います。そして、共感出来ると思います。男性は、ちょっと頭が痛い事もあるかもね。でも、戦前戦後の国内の様子もわかるし、面白いと思いますよ。公開中なので、ぜひ、観に行ってみてくださいね。
・レオニー@ぴあ映画生活
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