「幻の薔薇」 自分の身の丈に合った生活をしないと身を滅ぼす | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京フィルメックス、4作目鑑賞は、「幻の薔薇」です。アモス・ギタイ監督の最新作です。ブーケ1


ストーリーは、

ゴンクール賞受賞の女流作家エルザ・トリオレの同名小説の映画化。第二次世界大戦終結後のふらんす。郊外の村で育ったマージョリーヌは、同郷のダニエエルと結婚し、パリのアパートで新婚生活を始める。比較的貧しい家庭に生まれ、豊かな生活にあこがれるマージョリーヌは、次々とクレジットで家具を買い始めるが、バラ園の跡取り息子のダニエルは、新種のバラの研究に没頭し、華やかな生活を嫌悪する。やがて、二人の感情はすれ違い、結婚生活は破滅へと向かう・・・。

というお話です。

アモス・ギタイ監督については、後日、「エステル」の時に書きますね。今回は、映画の感想を。


結婚って、価値観が違うと上手く行かないといいますが、この映画は、それをとても良く描いています。全く価値観が違うんですよ、この主人公夫婦。妻は、外でメイク系の仕事をしていて、夫は、内で薔薇の研究をしているんです。これ、難しいですよね。まったく性質が違うもん。これこそ、価値観が違うってやつですよ。どうして結婚したの?って思うけど、この映画の時代は、同じ村の幼馴染と結婚するのって当たり前で、それ以外から探すっていうことをしなかったみたい。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-幻1

妻の~は、昔の美容サロンで働いていて、結構人気なんです。美しいし、技術も高いということが、自分でもわかっていて、私はあなた達とは違うのよっていう感じで、おしゃれをして、新婚の新居は、都会のアパートを借りて、最新のインテリアで揃えてと、ちょっと勘違いしてしまっている女性なんです。夫がどんなに戒めても、理解出来なくて、借金を繰り返す。今の日本で言う、サラ金地獄ですね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-幻2

戦後の急速に発達するフランスで、その流行りに付いていこうとして、自分の身の丈も判らずに、身を持ち崩すのですが、これは、現代人にも沢山起こっていることです。貸金業規制法が施行されて、少しは良くなったのかな?実は、私、それほど物欲が無いので、物に踊らされてしまう人があまり理解出来ないんです。だって、ブランドとか、バッグ全面にロゴが入ってるでしょ。どうして私が貴方の会社の宣伝してやらなきゃいけないの?って思ってしまい、買えません。どーせ宣伝するなら、自分の会社の宣伝するわいっ!!デザインで勝負してくれるなら納得出来るけど、名前で売るなよって思うのは、私くらいかな。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-幻3

映画の話に戻って、この映画の面白いところは、戦後時代の話なのに、時々現代と交差してしまうところです。窓から見える風景とか、現代のパリっぽかったりするし、インテリアや洋服なども、古いデザインを使うのではなく、現代のものを使っていて、観ている方は、今の時代と戦後と、混ざってしまったような、不思議な感覚を味わうと思います。きっとこれは、何時の時代も、人間は同じ悩みを抱えているのだと描いているのかもしれません。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-幻4

ステキな作品でした。とてもおしゃれだし、単館系のセレブに喜ばれそうなところでやると、結構、受けが良いかもしれないなぁ。女優もすごく美しい人だし、日本受けは良い作品だと思います。

ぜひ、日本公開して欲しい作品ですけど、どうなのかなぁ。期待して、待っています。カメ



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