「トスカーナの贋作」 男と女の不思議な関係。どこまでも平行線・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京フィルメックスの2作目は、「トスカーナの贋作」 を観ました。


ストーリーは、

イタリア、南トスカーナ地方の小さな村。公演を終えたばかりのイギリスの作家がギャラリーを経営しているフランス人女性に出会う。芸術におけるオリジナルと贋作の問題について議論を戦わせた二人は、カフェの女主人が二人を夫婦だと勘違いしたのをきっかけに、あたかも長年連れ添った夫婦であるかのように(贋夫婦)、ある時は仲睦まじく、ある時は言い争いながら、美しい秋のトスカ-ナを車でめぐる。そこに結婚式を向かえた夫婦や、老年の夫婦が交差していく。彼女は彼を誘うが、作家は夜9時には村を立たねばならなかった・・・。
というお話です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-贋作2

まったくの初対面の二人が、ちょっと散歩に出かけ、議論をしているうちに、なんとなく夫婦のフリをしていて本気になっているようなお話しなのですが、ま、本当に夫婦でも夫婦で無くても、この映画の内容にはどうでも良い事なんだと、観た後気が付きました。


男と女は、どこまで言っても平行線。求めるものが違うのだから、議論を戦わせても、いつまでも終わる事が無いということを描いています。でもね、平行線だということを理解していれば、どちらかが歩み寄ったり、少しトーンを落とせば、平行だけど、肩を寄せ合う事は出来るのだという事も、同時に言っていたように思えました。

とっても不思議な映画で、観ている時は、あれ?あれ?どこから夫婦になったの?とか、確か作家とファンの関係だったよねぇとか、悩みながらも、男と女の色々な反応の違いとかが、とても面白くて、楽しめました。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-贋作1

女が男の話をちゃんと理解して聞いているような顔をして全く聞いていない事とか、自分の言いたいことだけ吐き出すと納得してしまうところとか、相手の考えなど無視して自分のやりたい事を押し付けるなど、女としてちょっと恥ずかしい事がバッチリ描かれていて、心苦しくなりました。自分もそうだけど、女性って、こういう部分が多分にあるんですよね。これが年を取っていくと、どんどん酷くなっていく。気をつけなきゃいけないですよね。


男は、仕事が生きがいで女は二の次になってしまい、詰られても曲げられない。あまりにもうるさい事を言われるなら、一人の方がマシだと思ってしまうということが描かれていました。実は、私、この男の気持ちも解るのですが、仕事が波に乗ってくると、面白くて家族の事なんて忘れてしまうんですよね。最近は、女性も仕事を楽しめるような状況になってきているので、段々と女性の男性化が始まっているかも。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-贋作3

男性と女性の考え方の違いをとても良く描いていて、夫婦でみると面白いだろうなぁって思いました。女性は、ジュリエット・ビノシュ演じる女の嫌な部分を観て、ちょっと自分を戒めてみる必要があるかも。私は、イヤな女の部分を観て気をつけようと思いました。もちろん、男性も男の身勝手さを観て、考えて欲しいなぁ。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-贋作4

この映画、来年の春頃(4月頃)に日本公開になります。時期がちょっと違うかもしれませんが、公開は決まっているので、もし公開されたら、ぜひ観てください。映画祭などで有名な キアロスタミ監督の新作です。この作品で、ジュリエット・ビノシュは初のカンヌ映画祭女優賞を受賞しました。キアロスタミ監督は、次回作を日本で撮影したいとお話されていましたよ。

公開されたら、ぜひご覧になってみてください。カメ



ブログランキング