フィンランド映画祭の2作目は、「僕はラスト・カウボーイ」 を観ました。
ストーリーは、
優しい母親と魅力的な父親に育まれ、ルペルトとエベルトの兄弟は幸せな生活を送っていた。しかしルパートが偶然見つけたある一通の手紙によって、家族の幸福は次第に蝕まれていく。アルコールに溺れる父親、心に傷を負った母親、両親の離婚、住み慣れた家からの引っ越し、新しい母親の出現、そして暴力……。やがて青年になったふたりは一家を襲った悲劇の真相と向き合い、新たな人生の第一歩を踏み出していこうとする。70年代から80年代にかけて、大人たちの理不尽に翻弄されながら過酷な幼少期を送った兄弟の絆を克明に映した濃厚な作品。
実は、題名があまり魅力的で無かったので、観ようか迷ったのですが、観て良かったです。これは、すごく良かった。両親に可愛がられて育っていた2人の兄弟が、親の都合によって、振り回され、傷つけられ、そして大人になるというお話です。
私も親の年齢なので解かるのですが、パートナーが居るのに、他の人に気が行ってしまって、離婚に至るって、良くあることですよね。大人なら、嫌いな人と一緒に居るより好きな人と一緒に居た方が幸せになれるから、別れる=離婚するって、結構、簡単に決断してしまうのだと思います。

でも、子供にとっては、すごく重大で、自分のパパとママが一緒に居るのが当たり前と思っていたのに、どうしてパパは他の女の人と居るの?どうしてママは泣いているの?理解出来ないけど理解しなくちゃ納得出来ないし、パパともママとも一緒に居たいし、どうしたらいいのか判らなくなっちゃいますよね。パパがママを嫌いになるなんて、子供には考えたくない事だと思うし、ママが居るのに、ママ以外の人を母親と思わなきゃいけないなんて、それだけでも傷つくんです。そんな子供の気持ちを鋭く描いていて、素晴らしいと思いました。子供たちの痛みが伝わってくる作品です。

大人になった兄弟は、両親の苦しみも理解出来て、それまでの痛みや苦しみを浄化させて、明るい未来を探して行くことになると思います。ちゃんと救いがあってこそ、映画として成立しているのだと思いました。
この映画、出来れば日本公開して、たくさんの人に観て欲しいと思います。母親とか、これから母親になる人に。子供がどれほど親の勝手で傷ついているのか、悲しい思いをしているのかを理解し、それを踏まえて自分の決断を選択して欲しいと思いました。
お兄ちゃん役の彼、超イケメンです。名前忘れちゃいました。

私は、とてもお奨めしたい映画です。でも、公開が決まらないと・・・。
フィンランド映画祭は、11月5日まで、恵比寿ガーデンプレイスにて。
良い作品が多いので、ぜひ、行って見て下さいね。
