5日目の1作目は、「1枚のハガキ」を観ました。
ストーリーは、
戦争末期に召集された100名の中年兵は上官にクジを引かれそれぞれの戦地に赴任した。クジ引きの夜松山啓太はひとりの兵から妻からの一枚のハガキを託される。戦死するだろうから生き残ったらハガキは読んだと妻を訪ねてくれと依頼された。終戦になり100名の内6名が生き残りふるさとに帰った啓太は、待っている人も無く、ブラジルに移民しようかと思っている時にハガキを見つけ、戦友の妻、友子を尋ねる。ハガキを書いた友子は夫の亡き後、義父に懇願され夫の弟と再婚したが弟も赤紙がきて戦死。義父がショックで死に義母は自殺した。貧しい農家に友子はひとり残り滅びようとしていた。その時、啓太がハガキを持って訪ねてき、実情を知った。
というお話です。
戦争に召集され、100名の中年兵は、クジで赴任先の戦地を選択されたそうです。100人のうち60人はフィリピンだかなんだかの島へ送られ、30人は船に乗せられ、残りの10人は、宝塚の兵舎の掃除に当てられ、その後、今度は、10人の内、4人が沖縄へ送られて、残った6人が、死んでしまった94人の命を背負ってしまったというような気持ちになったと監督がおっしゃっていました。この主役の体験は、監督自らの体験なんです。
戦争は、戦争に行った人間だけでなく、待っている妻や家族も、殺す事になるのだということを描いていて、心に刺さりました。残された者は、力の弱いものばかりだし、心の支えである息子や夫に死なれたら、生きていく気力も無くなってしまいます。本当に辛い話でした。
終戦後、戻ってきた松山が友子を訪ねて、色々在るのですが、生き残った人々が歯を食いしばって頑張ってくれたおかげで、今の私達があるのだと感じました。終戦の時に、もう、死んでしまいたいと思ったのだろうけど、でも、”生きよう!”って言って、前に進み始める彼らを観たら、日本は素晴らしい人達に支えられて復興してきたんだから、このまま沈んでなるものかと思いました。アホな政治家たちを何とかしないと、日本が壊れてしまいます。
この映画に出てくる、美しい日本を、今度は私達が維持していかなきゃって思います。美しい自然と、美しい日本人の心。この映画を観て、本当に日本人で良かったなぁと思いました。日本人の誇りを忘れないようにしたいと思います。
監督、98歳なのに、とってもお茶目で、ステキな方でした。あまりにしっかりしていて、この映画が49作目だそうなので、50作目も頑張って欲しいなぁって思いました。ご自分では、最後だとおっしゃっていましたが、頑張って欲しいなぁ。新藤監督の古い作品、これから観てみようと思います。
豊川さんと大竹さんの演技、素晴らしいのですが、特に、大竹さんの壊れた演技が凄かったです。
この映画、お奨めです。素晴らしい映画だと思いました。若い人が観ても、楽しめると思います。若い人も良い映画で戦争の事を知る事って、必要だと思います。今、日本が弱っている時代だからこそ、過去を振り返って、やり直す為のヒントを探すことも、良いのではないでしょうか。
