5日目の3作目は、「ブライトン・ロック」(コンペティション)を観ました。
ストーリーは、
1964年ブライトン。静かなイギリスの海辺の町に、犯罪組織が入り込んできた。野心的な若いギャングのピンキー・ブラウンは、他のギャングたちが縄張りを乗っ取ることを阻止しようと躍起になっている。しかし、ピンキーがライバルを殺した瞬間、何も知らない若いウェイトレス、ローズの手に重要な証拠が渡ってしまう。ピンキーはローズがしゃべらないように誘惑し、ローズは、ピンキーを愛し始めてしまう。そんなローズを見て、ローズの雇い主アイダが、この事態に深い興味を持ってしまう。周りから攻められるローズは、最後までピンキーが自分を裏切らないと信じることが出来るのか。そして、愛のゆくえは・・・。
というお話です。

グレアム・グリーンの有名な小説の映画化で、今回は、2度目の映画化だそうです。最初、リメイクをして欲しいと話が来たそうですが、リメイクやイヤなので、設定などを全部変えて、自分なりの作品に買えたそうです。
内容は、原作が既に有名だし、一度映画化もされているので、良いものだというのはお伝えしなくても判ると思います。ギャングの闘争に巻き込まれていく、無垢なウェイトレスのローズが、あまりにもバカ正直で、騙しやすい~ってところが、レトロな感じでイイですね。どう考えても、”あんた、あたしを利用してるでしょ!”ってピンキーを責めてしまいがちですが、ローズは違います。かわいいです。

反対に、ピンキーは極悪というか、壊れてしまっている人間に見えました。たまにフッと、本当にローズを愛しているのかなっていう表情があるので、私は、ローズを愛していたんだと思いたいですが、あまりにも利己的で、本心を見せないような冷たい表情なので、この部分は観た方の考え方だと思います。このピンキーを演じたサム・ライリー、映画の中で、瞬きをしません。いつも人をにらんでいるような表情が素晴らしいです。なんとなく、若い頃のレオナルド・ディカプリオっぽくて、私の好みです~。これから、どんどん出てくる俳優さんだと思いますよ。
映像なんですが、イギリスのうす曇のグレーな色の中に、ビビット系の色の衣装で出てきて、とても印象的です。ピンキーなどの男は黒、アイダの赤、ローズの白など、原色系を使っていて、すごく観ていて綺麗なんですよ。色使いのコントラストも楽しんで観てきて下さい。

面白かったし、スピード感もあり、とってもおしゃれなんですよ、映像が。バイクで疾走するシーンがとても印象的で、あのレトロな雰囲気の町をたくさんのバイクが入り乱れて、走り回るというのが、超カッコよかったです。このシーンは、必見ですね。
原作が読みたくなる作品です。でも、原作は、1930年代らしいのですが、今回の映画化では、1960年代を舞台にしたそうです。監督は、アイダ役のヘレン・ミレンさんにかしづいて、演技などのお願い事をしていたそうですよ。(笑)面白い明るい監督でした。
これ、ぜひ日本で公開して欲しい作品です。面白いし、流行ると思うなぁ。配給付かないかしら・・・。期待して待っています。もし、公開になったら、ぜひぜひ、ご覧になってくださいね。映画の初心者でも、玄人でも、とても楽しめて、ちょっと観た後に、カッコつけたくなるような映画です。お奨めですよ。
