先日、「メッセージ そして愛が残る」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
法律事務所に勤めるネイサンの元に、ある日、ジョゼフ・ケイと名乗る医師が現れる。幼い息子を突然亡くし、妻や娘と別れてひとり仕事に没頭していたネイサンに、ケイは見知らぬ青年の死を予告する。半信半疑だったネイサンだが、不思議な出来事が続き、死を予見するケイの能力を信じるようになる。ケイは死期の迫った人に、その運命と向き合う時間を与えるメッセンジャーの役目を果たしていたのだ。そしてケイがネイサンの前に現れた理由が解き明かされていく。
というお話です。
死ぬ時が判ってしまうという不思議な力を持った精神科医と、昔、彼に診察を受けた男の数奇な関わりなんですが、私が思っていたストーリーとは、違っていました。私は、ちょっとシックスセンス系と神様系が入っているのかな~なんて思っていたのですが、どちらにもハマってなくて、あらっ?と言う感じで終わってしまいました。
面白くない訳では在りません。不思議な力で人を助けられるのか、まったく意味が無いのか、何か力になれるのかなど、人が死に向かって行く時に、それを受け入れられるのかという問いかけのような内容でした。
導入部は、ちょっと眠くなりましたが、その後、途中までは、サスペンス風で、その不思議な力が何に影響してくるのか解からず、盛り上がっていくので面白いのですが、クライマックスに差し掛かり、あれっ?て感じになってしまいます。

難しいテーマを描いているのですが、どーも、描ききれていないような感じで、このストーリーの意図が読み込めませんでした。ぶっちゃけ、死期が判るからナンなの?死ぬ人に教えてあげるの?その力、自分の周りにいる人しか判らないんだから、あんま意味無いじゃん。という気持ちがフツフツと沸いてきて、ちょっと消化不良でした。ドイツ・フランス・カナダの共同映画なので、フランス映画の、あのもやもや~って感じでまとめられてしまって、なんと言っていいのやら。
後どれくらいで死ぬっていうことが判ったら、何をするかなぁって考えてしまいました。まず慌てて、どうして死ぬ事になるのか、その原因を探るでしょうね。で、それを何とか回避しようとするだろうと思います。でも、神様の決めることだから、死を回避することが出来ないと分かった時点で、開き直って、後に何を残そうかって、必死で頑張るでしょうね。それこそ、「死ぬまでにしたい10のこと」です。

でも、もしかしたら、死ぬのが判ってしまったら、人間としてのルールを破ってしまう人も出てくるでしょうね。憎んでいる人を殺すとか、愉快犯として大型事故などを起こしたり、テロ的な行為を行なう人も出てくるでしょう。恐いです。やっぱり死期は判らないようにしないと、恐ろしいですね。全ての人が理性を保てるとは限りませんから。
映像は、とても美しいと思いました。差し込む光とか、川の流れとか、森林の中とか、良かったです。気になったのが、砂漠で、月下美人らしきサボテンの花の開花を撮影する妻の所に主人公と娘が会いに行く場面があるのですが、砂漠の色が雪のように白くて、これ、聖書のロトの話をモチーフにしているのかなと思いました。
旧約聖書の創世記に、ソドムとゴモラを滅ぼすと天使から聞いたロトが妻を娘と一緒に逃がすのですが、その時に、決して後ろを振り返ってはいけないと指示します。塩の砂漠を逃げるロトの妻は、言いつけを破り、後ろを振り返ってしまい、「塩の柱」と変えられてしまいます。ロトと娘を残して、塩柱となってしまう妻。ちょっとこの映画の内容に通じるものがあるので、気になりました。

私は、この映画、お勧めしてよいのか、どちらとも言えません。フランス映画好きな方ならと言いたいけど、でも純フランス映画のおしゃれさと重みはないし、誰に薦めて良いものやら・・・。あ、そうそう、ロマン・デュリスとジョン・マルコビッチのファンの方には、お薦め出来るかな。でもマルコビッチの面白い面は見れません。
・メッセージ そして、愛が残る@ぴあ映画生活
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