今日は、「LOVE OF SEVEN DOLLS 七つの人形の恋物語」 By.音楽座 のミュージカルに行ってきました。
千秋楽だったので、大盛況でした。
ストーリーは、
田舎町からやってきた、ひとりで生きる少女ムーシュ(蝿)。とりわけ器量が良いというわけでもなく、貧相な身体をしたムーシュは挫折の連続。生きる気力を失い、川に身投げしようとする。そのとき不意に、赤い髪の人形が彼女を呼び止めた。 彼女は、死のうとしていたことも忘れ、人形との会話に没頭していく。
人形遣いのキャプテン・コックは、自分が操っている人形たちが自分の手を離れて、勝手に動き、言葉を発し、あたかも独自に生きているかのような、不思議な感覚を味わっていた―― その人形遣いの本当の名前は、ミシェル・ペエロ。子供の頃から誰にも愛されたことがなく、優しくされたり親切にされたりしたこともない、天涯孤独の冷酷な男だった。ムーシュに不思議な魅力を見出したキャプテン・コックは、彼女を一座の仲間に入れることにする。しかし、ムーシュの無垢な心に憎しみを募らせていったキャプテン・コックは、彼女を汚そうと無理矢理に身体を奪い、夜毎に屈辱を与えた。しかし夜が明けると、前にも増して七つの人形たちはムーシュに生きる喜びを与え、彼女との愛をより一層深めていくのであった。やがてムーシュと人形たちの舞台は大評判を呼び、有名な大劇場で興行できることになる。
というお話でした。

このお話、結構、大人向けの話なんだけど、夏休みだからなのか子供が結構来ていて、マズいんじゃないかなぁって思ったのは私だけだったのだろうか。確かに、レイプシーンなどは、キレイに表現されてしまっていて、原作を読んでいないと全くそういう情事があったということが判らないようになってしまっていたんですよね。これ、心の動きがどのように有ったのかという一番重要なシーンなんだけど、それが判らなくなってしまっていると、この話の人間の深層心理が全く伝わらないのですが、良かったのだろうか・・・。この演劇は、子供には無理だと思うんですけど・・・どうだったんだろう・・・。

ま、とりあえず、大人の私としては、そういう汚い部分も全てあってこその、この”ポール・ギャリコ”原作の”七つの人形の恋物語”だと思っているんですけどね。
ぶっちゃけ、この原作は、DV男が、DVを働いて、その後、直ぐに”ごめんねごめんねっ!”って言って、優しくするって話で、女は、そんな男から離れられない依存症に陥っているという状況なんですよ。ちょっと病的な話です。男の方も女の方も、そんな自分じゃいけないって思っているのに行動に移せなくて、もがいてもがいて、そして、やっと行動に移すのか・・・って感じかな。

舞台も、原作に出来るだけ添って進んでいくのですが、やっぱり、人形の見せ方が難しいのでしょうね。主人公のムーシュにとって、人形たちは生きている人物に見えていて、他の人間達にはただの人形にしか見えていないということで、その表現がとても演劇を観ている人間には判りにくかったようで、前回の公演の時に文句が出て、今回は、随分改良を加えたようです。私は、原作を読んでいたので、問題なく解かったのですが・・・。

とても良いお話だし、キャストの方の声も良いし、演技も文句の付けようがないものでした。私は、すごく満足できる演劇で、原作を読んでいたので、心の動きも良く分かったし、ちょっと笑えるところもあったりして、楽しかったのですが、もう少し、大人向けに解かり易く、色々表現してしまっても良かったのではないかと思いました。
ハッキリ言って、大人向けに汚いシーンなどをえげつなくやってくださるなら、もう一度、いや何度でも観に行ってもいい作品なのではないかと思いました。観る度に、新しい発見がありそうな内容なので、面白いと思います。
キャストの方々の写真を撮ってきました。いかがですか?ステキでしょ。
また、再演になったら、ぜひ、行って観てくださいね。でも、原作を読んでいく事をお薦めします。
