今日は、「彼女が消えた浜辺」のブロガー試写会に行ってきました。
ストーリーは、
テヘラン近郊の海辺のリゾート地にバカンスに訪れた男女の中に、セピデー(ゴルシフテェ・ファラハニー)が誘ったエリ(タラネ・アリシュスティ)もいた。トラブルに見舞われながらも初日は楽しく過ぎ、2日目に事件が起きる。海で幼い子どもがおぼれ、何とか助かったものの、エリの姿がこつ然と消えてしまっていたのだ。
というお話です。

この映画、昨日の「キャタピラー」と同じように、ベルリン映画祭で銀熊賞を貰った作品です。
人間の心理を事細かに描き、心理的に迫って来るのは、とても良く解かるのですが、いかんせん、日本とイランとの常識が違いすぎるんです。日本では、たとえば、好きな人が出来ればお付き合いして、イヤになれば別れて、二股もあり、浮気もあり、なんて感じじゃないですか。でも、イランでは、まだ女性はの自由があまり無くて、男性の付属品のような扱いがあるようで、そういうところからして、日本で、この映画の深いところを伝えるのは難しいのではないかと思いました。
エリという女性が、浜辺でおぼれそうになった子供を助けようとして溺れたらしい、という事なのですが、いつまでたっても死体は上がらず、もしかしたら、どこかに出かけたのか、連れ去られたのかなど、いろいろな憶測が出てきます。そして、思い返してみると、だれも彼女の呼び名以外、本名や家族の事、住んでいるところなど、何も知らない事が解かります。あれっ?どうして何も知らない人を家族旅行に呼んだの?って感じで、呼んだセビデーという女性を責めたり、そういう心理戦は、とても面白いと思いました。だって、人ひとり死んだかもしれないのに、自分達の立場とかを考えて、自宅に電話しなかったり、あれは知っていたけど、これは知らなかった事にしようとか、あんた達、人が死んでるかも知れないのに、何相談してんだよって突っ込みたくなりました。
そうそう、イランだからなのか、心理戦が長いんですよ~。ちょっとイライラしてしまいました。多数決で決めてるくせに、またウダウダ考えたり、嘘を何度もついていたり、そういう引き伸ばしの感じが、めっちゃイラつきました。
それと、エリを誘ったセビデーという女性なんですが、良くいる世話好きなおばちゃんタイプなんですよ。迷惑だって言っているのに、見合いをさせようとするような、そんな感じなんです。そういう人って、自分では、私は世話を焼いてあげているのよって優越感に浸っているのかもしれないけど、押し付けられる方が迷惑ってことが往々にしてあるんですよ。世話もほどほどにしないと、マジ、誰からも相手にされなくなりますので、気をつけて欲しいです。
この映画、あまりお奨め出来ないかも。単館系で、中東や南米の映画をいくつも観ているような方には、ちょっと珍しいし、面白いのでお奨めできますが、ハリウッドの王道を観ている方には、この映画、苦痛になると思います。観る人を選ぶ映画ですね。よろしかったら、観てみてください。でも、イスラム圏の決まりごとみたいのは、ある程度理解していかないと、何がそんなに問題なのか、わからないかも。
・彼女が消えた浜辺@ぴあ映画生活
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