先日、”プレシャス”を観てきました。
ストーリーは、
ニューヨーク・ハーレムに暮らす16歳の黒人少女プレシャスは、二人目の子どもを妊娠していた。二人とも、実の父親に性的虐待されてできた子どもだ。彼女は実の母からも虐待を受けている。妊娠の事実が学校に知れ、プレシャスは学校を退学になる。代替学校に通い始めたプレシャスは、レイン先生と出会い、文字が読めるようになり、自分の感情を文字で人に伝える方法を知る。そして、劣悪な環境から抜け出そうと戦い始める…。
というお話です。

はっきり言って、とても辛いお話でした。主人公のプレシャスの境遇があまりにも酷いんです。父親に性的虐待を受けて子供を妊娠。実母は、自分の夫を娘に取られたと、娘を虐待。もー、最悪ですよね。どうしてこんな事になるんだろう。信じられません。普通、母親の愛情があれば、自分の娘に夫が手を出そうとしたら、命がけで守りませんか?子供は抵抗出来ないんです。すべて大人の責任です。そんな犯罪が家庭で行なわれていても、外からは見えないですよね。そして、虐待された子供は、愛情を知らずに、また、自分の子供に同じ事をしてしまう。精神的に大人になれない。最悪のローテーションです。

そんな繰り返しを、このプレシャスは断ち切ろうと、一生懸命勉強して、頑張ります。でも、一人じゃ無理で、周りのたくさんの人の手助けを受けて、立ち直っていきます。周りの人も、それぞれ、自分に問題を抱えながらも、プレシャスを励まします。とっても優しい、温かい人達でした。言葉が荒かったり、態度が悪い子達もいますが、誰もが、それなりに励ましあいます。
ハーレムやブルックリンという荒れた地域の話が出てきますが、日本では想像が出来ないような、酷い環境のように思えました。レイプが当たり前で、人殺しも日常なんて、想像できますか?本当に日本に産まれてよかったと思いました。

親による虐待は、最近、日本でも増えていて、ニュースを見る度に心が痛くなります。どうして自分の子供を、せっかく神様から授かった子供を殺すような事をしてしまうのか。信じられません。邪魔だと思うのなら、虐待をする前に、誰か他の人に託して欲しいです。お願いだから、命を奪うような事は辞めて欲しい。そして、子供が独り立ち出来て対等になれたら、親子で話し合うという選択肢も考えて欲しいです。
正しい教育を受けて、愛情を知れば、誰でも変われるのだと思いました。たとえ、それまで辛い境遇で、虐待を受けていようとも、周りにいる人々と、自分の努力で、変わる事が出来る。誰にでも光が見えてくるのだということを、この映画を観て、感じました。
辛い映画ですが、先に見える光を感じて、自分の力に出来る映画だと思いました。派手なアクションや娯楽作品ではありませんが、お勧め映画です。ぜひ、感動をしてきてください。
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