今日は、”運命のボタン”の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
ある日の明け方、ノーマとアーサー夫妻のもとに箱が届く。箱の中には赤いボタン付きの装置が入っていた。その日の夕方、スチュワートと名乗る謎の人物がノーマを訪ね、驚くべき提案を持ちかける。「このボタンを押せば、あなたは100万ドル(約1億円)を受け取る。ただしこの世界のどこかで、あなたの知らない誰かが死ぬ。提案を受けるかどうか、期限は24時間。他言した場合取引は無効」。ふたりは道徳的ジレンマに迷うが、目の前に1億円を見せられ、生活が苦しいこともあり、結局ボタンを押してしまう。だが、それは想像をはるかに超える事態の始まりに過ぎなかった……。
というお話です。

これ、前情報として、キャメロン・ディアスが初のサスペンスっていう触れ込みだったんだけど、サスペンスというより、SFなんですよ。「地球最後の男」「ある日どこかで」の原作者として知られるリチャード・マシスンの短編小説をもとに作り上げられたそうなんですが、彼がSF作家として有名だということは、ほとんど情報として伝えられてないの。SF好きな人には良いけど、サスペンスだと思って行くと、はぁ?ってなことになります。一緒に行った友達も、眠くて大変だったって言ってました。SFとして、ちゃんと前情報を伝えないと、SFにまったく興味が無い人には、ただ退屈です。
年代が、1970年代のお話で、ちょっとレトロな感じです。何故かというと、もちろん原作の年代もあるのでしょうが、ちょうど、この年代に、ロズウェル事件などが盛り上がってきて、新しい目撃説などが出てきたからではないでしょうか。映画の中に、アーサー・C・クラークと主人公の夫が友達だというセリフが出てきますが、アーサー・C・クラークと言えば、”2001年宇宙の旅””宇宙のランデブー”などが有名ですよね。ヒューゴー賞やネピュラ賞を貰っているSF作家です。これだけでも判るように、内容は、SFというものがこの年代に盛り上がっていて、そんな中での人々の生活ということを理解して観て欲しいのです。
そんな宇宙に対しての期待が盛り上がっている中、人々の生活の中にも、そんな不思議な出来事が影響を与え、いくつかの出来事は、本当にあったのかも知れないというところから、この物語は始まっています。こんな前置きを判ってから、この映画、観て欲しいです。

ある日、届けられたボタン。押すと1億円貰えるけど、誰かが死ぬという。映画としては面白いけど、でも、こんな上手い話があると思いますか?必ず、しっぺ返しが来ると、普通思いませんか?現代に生きていて、まして、こんなに景気が悪い時期に、素直に信用してボタンを押すバカがいるとは思えません。必ず、その倍返しとか、命を引換えにとか、そうなるに決まっていると思いませんか?良く、お年寄りが元本保証の投資詐欺に引っ掛かってニュースになっていますが、そんな良い話がある訳無いじゃないですか。そんなに良い儲け話なら、人に教えないよね。引っ掛かる方がバカだと言われますよ。

そんなお得なボタンから始まる話ですが、どんどんSF方向にのめり込んで行くので、SFを好きな人意外は、はぁ?って感じになってしまいます。サスペンスのみ好きな方には、お奨めできません。SFオタクと言われる人には、お奨めです。UFOとか、宇宙人とかが好きな人には、おおっという展開になりますが、普通のサスペンスを期待していくと、アウトとなりますので、気をつけてくださいね。
運命のボタン@ぴあ映画生活

