今日は、”誰がため”の試写会に行ってきました。
日本では、あまり話題に上らず、知らない方が多いと思いますが、第二次世界大戦時、ドイツは、デンマークもその占領下におきました。もちろんデンマーク人も納得せず、多くの地下活動が行なわれ、沢山のデンマーク人がその犠牲となりました。その時代のお話です。
ストーリーは、
第二次世界大戦末期。打倒ナチスを掲げる地下抵抗組織ホルガ・ダンスケの一員、フラメン(トゥーレ・リントハート)とシトロン(マッツ・ミケルセン)の任務は、ゲシュタポとナチスに寝返った人たちを暗殺すること。確固たる信念のもと任務をこなしていく2人だが、ある標的と対峙した時、”何かがおかしい”と初めて暗殺をためらってしまう。さらに、フラメンの恋人であるケティへスパイ容疑がかかり暗殺命令がくだったことで、組織に対する疑念は急速に膨らんでいく。誰が敵で誰が味方か、疑心暗鬼に苛まれ苦しむ中、フラメンとシトロンは危険な立場に追い詰められていく。自分達がしていることは正義なのか?なんのために戦っているのか?己の果てを悟った2人がそれぞれ選択した驚愕の結末とは・・・。
というお話です。

学校で教わる歴史の勉強では、日本が中心で、戦争でどこの国がどのような状況だったのかということは教えてくれません。デンマークが戦争中、ドイツにこんなに酷い占領下に置かれていたということを知りませんでした。歴史では、ユダヤ人が迫害されたことは有名でも、それ以外の国が受けた悲劇はほとんど伝えられていません。このデンマークの話も、デンマークの王室公文書館が当時の資料を公開せず、語ることが許されていなかった事を、65年経った今、やっと、目撃証言で映像化したそうです。65年たっても、まだ、目撃証言のみで、公文書が公開されないって、やっぱりいけないと思うけど、でも、日本でも公開されない極秘の資料があるのでしょうね。自分達の不都合な資料でも、見る勇気というか、覚悟が必要なのではないでしょうか。目を背けてばかりじゃ、前に進めないのに・・・。政治家の方達も、考えて欲しいです。

この映画、とっても哀しいものでした。歴史に基づいているから、仕方ないのでしょうが、どんなに正しいと思ったことをしていても、純粋で有るがゆえに、金目当ての人間に利用されてしまったり、罠にはまってしまったり、観ていて苦しくなりました。でも、彼らのプライドは崩れず、負けることが無く、決して媚び諂わない、武士のような生き方でした。この生き方は、日本人には解ると思います。
美しい武士道を、北欧の国々の人達も持っていたと、確認できる映画でした。
途中、セリフで、”アメリカ経由で、日本に行こう”というのがあって、日本に行けば何とかなるかもという気持ちがあの頃にもあってくれたのかと思うと、嬉しくなりました。

戦争時の歴史に興味がある方には、お勧めの映画だと思います。出来れば、その時代の事を、ある程度勉強していかれてから、観ると、また、違った見方も出来て、その戦況も読み取れて面白いのだと思います。第二次世界大戦末期なので、ドイツも窮地に陥った頃なのだと思います。そんな世界状況を解って観ると面白いのだろうなと思います。私も、もう一度、勉強してから観たい映画です。

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