東京フィルメックスで、”フローズン・リバー”を観て来ました。
ストーリーは、
カナダとの国境に面し、モホーク族の保留地を抱えるニューヨーク州最北の町。二人の息子を育てながら、1ドルショップで働く白人女性のレイ・エディ。クリスマス前なのに、ギャンブル依存症の夫はお金を持って失踪し、明日食べるものにも困るような生活を続けていた。そんな時、あるきっかけで知り合ったモホーク族の女性ライラ。彼女は、不法移民をモホーク族保留地を通して入国させる犯罪によって、収入を得ていた。レイは、お金を手に入れるため、ライラとパートナーになり、不法移民の入国を手助けし始める。色々な危険な状況を潜り抜け、最後の仕事の途中、警察に見つかってしまう。二人がとった行動とは・・。
多民族が集まる国だからこそ、こんな出来事があるのだと思いました。北米先住民族の保留地というものが有ることも、この映画で知りました。こうやって守られているんですね。でも、それを利用して、彼らが違法な仕事をしたりもしているという現実もあるようです。
この映画を観ていて、何が良いことなのか、何が悪い事なのか、考えてしまいました。誰もが自分の家族を、生活を守るために必死で生きていて、そのためには、違法なこともしなければ生きられず、どうしようもないジレンマを感じました。違法だけど、でも、生きる方法が無ければ、やるしかないですよね。違法だけど、悪い事とは違うのかもしれないと思いました。違法=悪い事?でも、それは、他人に迷惑をかけている訳ではない。それって、悪い事なの?だからと言って、法律というものが無ければ、人間なんて、勝手に自分の欲望のみで動いてしまうから、規律は必要だし、この作品は、その根本を考えてしまうものでした。
母親の愛は何よりも強くて、子供の為なら、どんな人間にも立ち向かえるという、強い意志を感じました。素晴らしい作品です。

監督さん、とっても優しそうな方で、サインをいただき、写真も撮らせていただきました。
