カンヌ映画祭で、初監督作品がカメラ・ドール特別賞を受け、2作目、3作目とも、カンヌで上映され、絶賛を浴びたメキシコの若手映画監督。
今回、ワールドシネマ企画として、この監督の3作品を上映することになりました。
私は、1作目の「ハポン」と2作目の「バトル・イン・ヘブン」を観る事ができました。
「ハポン(ジャパン)」
ストーリーは、
死を決意した男が、メキシコ・シティを離れ、人里離れた田舎にたどり着く。荒涼とした渓谷を眼下に望むあばら家には年老いた先住民族の未亡人が暮らしており、男はそこに身を寄せる。広大な荒地と息を呑むほどの自然のなかで、老女の偉大な人間性に触れ、男は残酷さとリリシズムの間で揺れ動く。彼の鈍っていた感覚は甦り、人生に対する欲求と性的な衝動がむき出しになっていく。
というお話です。
なぜ、ジャパンという題名なのかというと、遠くの地という意味と、朝日が日本の戦争時代の旗の絵に似ているので、そういう名前にしたそうです。監督に関しては、今、いろいろな本やサイトで取り上げられているので、調べてみてください。
「バトル・イン・ヘブン」
ストーリーは、
軍に勤める運転手マルコスは、大佐の娘アナと出会い、売春をするアナと性交渉を持っていた。欲に駆られたマルコス夫婦は、ある日、子供を誘拐し、お金を取ろうとするが、誤って子供を殺してしまう。罪の償いをしなければと思うマルコスは、ふとした拍子に、アナに子供を殺してしまったことを話してしまう。そして・・・。大都市の不毛な「生と性」を扱った、繊細さと力強さを持つ意欲作。
というお話です。
今回は、2作品ともの感想を書きますね。
この監督の作品は、なんとなく、普通の映画作品とは違う気がしました。観ていて、映画の側から押し付けてくることが一切無くて、観ているこちらが近寄って行って、自分の感じるままに感じて理解する映画のように思えました。どちらかというと、映画作品というより、美術品=芸術作品なんです。絵画のような・・・。だから、観る人によって、まったく意見が違ってくると思います。ピカソの絵が、素晴らしいと思う人と、まったく理解不能と思う人とが居るのと同じです。
でも、この監督作品、映画に関わりたいと思う人は、観ておいたほうが良いと思います。監督は、誰かから映画の取り方を教わったのではなく、自己流で覚えてきた方です。ですから、発想や撮り方などが、斬新なのだと思います。私は、難しいことは分かりませんが、フィルムのサイズも、普通と違うもので撮ったりしているようです。ティーチインで、撮影の仕事をしている方が、詳しく聞いてらっしゃいました。一度、ぜひ、監督の映画を体験してみてください。
監督にサインをもらい、一緒に写真も撮っていただきました。すごく感激です。
彼の作品、ゆっくり観たいんですけど、日本公開無いのかなぁ。もう、字幕も付いてるし、ぜひ、単館でいいので、公開して欲しいです。少し、自分の世界観が変わります。
