今日は、1日、ドイツ映画祭に行ってきました。 3本です。
「冬の贈りもの」
ストーリーは、
画家マックスのアトリエに、女性が絵の依頼に訪れる。彼女の2人の子供の肖像画を頼みに来たのだ。しかし、姉と弟の、弟は1年前に死んでいた。亡き弟と生きている姉を描くために、弟の写真やビデオを受け取り、姉はモデルとしてアトリエを度々訪れるようになる。描き始めると、その家族にあった色々な問題と、弟が死んだ訳が見えてくる。弟の死によって苦しむ家族の姿を見て、画家は、自分の家族についても考え始める。
というお話です。
家族の死というのは、そう簡単に忘れられるものではないし、それが自殺であれば、残った家族は、その理由が自分ではないかと、自分を責め続けてしまうという事が、とても良く描かれていました。そして、肖像画を期に、もう一度見つめなおし、そして、再生していく人たちの姿に、感動しました。
この作品、日本で公開されるかなぁ。どちらかというとミニシアター系の映画だと思うけど、とても良い映画なので、公開されることを祈っています。
「ヒルデーある女優の光と影」
ストーリーは、
ナチ時代末期の映画界に彗星のごとくデビューし、戦後に世界を股にかけた華やかなキャリアを築いたヒルデガルド・クネフ(1925~2002)。ドイツが生んだ世界的スターという点ではマレーネ・ディートリヒに次ぐ存在である彼女の人生を忠実に追ったのが、この作品である。有名なナチ党員と恋愛関係にあったという事実が招くトラブル、米軍士官と結婚してハリウッドに渡ったものの仕事を得られない苦悩、母国での再度の映画出演と”スキャンダル女優”という悪名、その後つかんだ女優および歌手としての名声・・・。彼女の伝記映画。
というお話です。
マレーネ・ディートリヒは日本でも有名ですが、このヒルデ・ネフ(ヒルデガルト・クネフ)って女優さんは、全く知りませんでした。こんな壮絶な人生を送って、ドイツの全ての人が知っているような歌を歌っていた人なのに、どうして日本で、今まで、話題に上ってこなかったのか不思議です。とっても女優らしい女優。歌手らしい歌手だったようです。派手でわがまま、いつまでも尽きない欲望。このパワーは、すごいと思いました。
日本でも、もっとこういうレトロなパワーのあるスターを紹介して欲しいです。
「ブッデンブローク家の人々」
ストーリーは、
文豪ドーマス・マンが26歳の若さで発表した自伝的長編小説の映画化です。マンが1929年にノーベル文学賞を受けた際、その根拠として「ブッデンブローク家の人々」が挙げられたこともよく知られています。19世紀半ばのハンザ都市リューベックを舞台に、名家ブッデンブローク一族が時代の変化と共に緩慢に没落していくさまが重厚に表現されています。この映画化は4度目だそうで、今回は、一族の2代目当主ヨハンを軸に描かれています。
というお話です。
お話としても、とても良い作品ですし、映像がすごく美しかったです。建築物も背景も、衣装までも、とてもステキで、気に入りました。この一族は、商社なのですが、現代と同じように、景気が悪くなれば、取引も上手く行かなくなるし、悪いもの(先物取引)などに手を出してしまうという、典型的没落パターンで、倒れていきます。
映画の中で、トルコの言い伝えが出てきて、”家を建てると、死神がやってくる”というのですが、これって、すごく判りますよね。日本でも、企業が自社ビルを建てると、あっという間に潰れるって言われていますよね。トルコでもこういう事あるんだーって、関心しました。
とにかく、ノーベル文学賞を貰った人の代表作を読んで見なきゃと思いました。
明日も、一日、ドイツ映画祭に行ってしまうので、東京国際映画祭のグリーンカーペットは観れません。残念だけど、仕方ないね。他の方のレポートを見せていただきます。
