今日は、”空気人形”の試写会に行ってきました。監督のティーチインでした。
ストーリーは、
レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)にひそかな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトを始める。人形なのに、心を持ってしまった彼女は、それゆえに、苦しみも感じることとなる。そして・・・。
というお話です。

映画上映の後、監督のティーチインがあって、その様子から書きますね。
この映画は、監督の好きな漫画家、業田さんの作品が原作です。業田さんの漫画”自虐の詩”は、映画化されてしまっていて、残念っ!と思ったそうで、”空気人形”の漫画が出てすぐに買って、読んだら、ビデオ屋で空気人形の空気が抜けてしまい、空気を吹き込む場面が、超エロティックで、”映画にしてくれ~”って訴えていたので、ぜひ映画化したいと思ったそうです。
キャストは、すべて監督が選んだそうで、ペ・ドゥナは、昔からファンで、4年前位に、ダメモトで、手紙を書いてお願いしたら、受けてくださったそうです。すごいですね。他も、印象に残るような人を選んだそうですよ。
空気人形の持ち主の役は、ちょっとキモいけど優しさが感じられる人ということで、板尾さんになったそうです。この役を描くのに、ダッチワイフを持っている方に、監督が取材をしたそうです。監督に、直接、”話を聞いたって聞いて驚きました。”って話しかけたら、”いや、これは、やらなきゃいけない事だったから。”とおっしゃってました。で、話を聞いたら、どの方も、繊細で、根は優しい方で、性的な目的だけじゃなくて、一緒に暮らす家族やペットのような感覚で、購入されているようです。ちょっと驚きました。
今回、監督は、いつものスタッフではない方達と組んだそうで、それは、今回は、”歩いても~”の時のように、現実を描くのではなく、非現実を描かなければならないということがあり、新しい方と組んだそうです。
ま、そんなお話を聞いて、感動でした。

映画は、すばらしいものでした。私は、最高だと思います。
人間の悲しさ、人間の虚しさを、人形だからこそ不思議に思い、人形だからこそ感じる悲しい現実を、心に響かせるように描いていて、もー、感動でした。彼女が、だんだん人間に近づきながら感じる悲しさを、こちらも体験させていただきました。色々、詳しく書きたいんだけど、ネタバレになるのでダメだけど、でも、この映画、ぜひ観てください。あー、失敗したということは、決してありません。必ず、満足出来ると思います。
ペ・ドゥナのかわいさは、誰も文句がつけられないんじゃないかな。男性なら、誰もが、こんな人形があったら、持っていたいと思うと思います。本当にかわいいし、素直だし、愛らしいです。女性から見ても、助けてあげたいくらいかわいいです。そんな彼女が、ダッチワイフとして扱われている状態の時と、人間の女の子として扱われている時と、そのバランスが驚きます。私は、途中で、どっちが幸せなのか分からなくなりました。
心を持ったら持ったで悲しいし、でも、持ったが故に、感じられる幸せもあるし、そして、周りにいる人間は、だれもが幸せではないし、本当に、心に残る映画でした。

この映画、超お勧めです。映画に興味がある方なら、必ず観て下さい。映画を普段観ない方でも、この映画は、現代の人間の本質を表現しているので、ぜひ、この映画を観て、考えていただきたいと思いました。
公開されたら、もう一度観に行きたい映画のナンバーワンです。
やっぱり、是枝監督、すごいです。サイコーです。