「ヴィヨンの妻」モントリオールで賞を取り、これからどうなるのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日の夜は、”ヴィヨンの妻”の完成披露試写会に行ってきました。本


まず、舞台挨拶に、根岸監督と浅野さんと松さんがいらっしゃいました。司会は、フジテレビの笠井さんです。

きっと、明日のワイドショーでやると思いますが、賞をもらえてすごく嬉しいとのことなど、色々お話してくださいました。何故か、会場に太宰治のねぶたが作られて持ってきてあったのですが、これが、恐いんですよ。キャラクターとかだと良いんだけど、人間をねぶたにすると、特に太宰さんは、恐かったですね~。あれ、練り歩くのかなぁ。恐いなぁ。

今日の舞台挨拶は、とても大人しい、大人の挨拶でした。観客に、津川さんなどもいらしていたようです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ヴィヨン1

ストーリーは、

秀でた才能を持つ小説家の大谷(浅野)は、戦後の混乱期、酒飲みで多額の借金をし浮気を繰り返すような破滅的な生活を送っていた。大谷の妻・佐知(松たか子)は、夫が踏み倒した酒代を返すため、飲み屋で働くことに。生き生きと働く佐知の明るさが評判となって店は繁盛し、彼女の輝きも増して、やがて彼女に好意を寄せる男(妻夫木)も現れ、佐知の心は揺れ、大谷の不安は極限に達する。そして、大谷は親しくしていたバーの女と姿を消してしまい、心中未遂を起こしてしまう。

というお話です。


生誕100年を迎える太宰治の短編小説”ヴィヨンの妻”に、根岸監督が、”思ひ出””灯籠””姥捨””きりぎりす””桜桃””二十世紀旗手”などを微妙に盛り込み、1本のストーリーに纏め上げています。

太宰の空気が、映画からあふれ出てくるようでした。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ヴィヨン2

大谷と佐和夫婦は、まったく違うように見えるけど、本質的には近い、似たもの夫婦だと思うんですって、根岸監督がおっしゃっていましたが、映画をみて、確かにそうかもなぁって思いました。

大谷は、死ぬ死ぬと言いながら生きることを望み、佐和は、明るくて元気で強そうに見えて、どこか不安定で生きていることに嫌気がさしてきているように見えました。その不安定さと、大谷を理解しているが故に諦めている自分の人生が、他人の男性には、とても魅力的に見えるのではないかと思いました。


人間って、誰でも暗い部分に惹かれてしまう面があって、それが極端になると、死というものに引っ張られてしまうのではないかと思います。でも、わざわざ、そんなに早く死ななくても、誰もが死に向かって生きてるんだから、そんなに急がなくてもいいんじゃないのかなって思うのが私です。どーせ死ぬなら、やれることは何でもやってみて、楽しんでみても良いんじゃないかな。苦しいと思っても、それが楽しくなる事もあるかもしれないし、わかんないじゃん。私は、あくまで、ポジティブシンキングです。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-ヴィヨン3

確かに、映画としては、とても描き方が美しいし、昭和初期のセピアっぽい感じも良いし、とってもおしゃれな感じなのですが、やっぱり暗いんだよね~。太宰の事を理解してみる分には良いですけど、この暗さ、子供には、分からないだろうなぁ。

通向きの映画です。アクションとか、明るいものが好みの方には、あまりお勧め出来ません。

でも、単館系をよく観る方とか、静かでずっしりした映画が好みの方には、お勧めです。

太宰の小説を、一度でも読んだ方は、観てみたら、また理解が進むのではないでしょうか。カメ


”ヴィヨンの妻”(by.Yahoo)