「セントアンナの奇跡」 人を狂わせる戦争の中の光 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日も、日テレ黄金週間で、”セントアンナの奇跡”の試写を観て来ました。音譜


この映画、163分(2時間43分)の長さなのに、まったく長さを感じられないほど引き込まれて、あっという間でした。

実際にあった事件を題材に書かれた小説を原作に作られた映画です。この映画を観る前に、その時代の背景と事件を知ってからの方が、より理解出来るのではないかと思います。チラシに書いてあるので、読んでみてくださいね。クリップ


ある日、ニューヨークの郵便局で、不可解な殺人事件が起こる。その事件の原因は、1944年に遡る。

時代は、ムッソリーニが首相を解任・逮捕され、ドイツがイタリアに侵攻、進駐し、内戦状態が続く状態だった。そんな中、イタリアのトスカーナ・サンタンナ(セントアンナ)で、パルチザン(ファシズムに抵抗する勢力)を一掃するため、大虐殺が行なわれた。殺されたのは、ほとんどが女性、老人、子供だった。

その事件後、連合軍のアメリカ黒人兵部隊が、最前線でナチスと戦っていた。その最中、1人の少年を救ったために、4人の黒人兵士が敵陣で孤立してしまう。仕方なく、イタリアの小さな村に身を寄せる。今まで、自分の国でも黒人であるがために白人に虐げられ、自国の為に戦っているのに疎まれる、そんな自分たちを暖かく迎えてくれた村人と強い絆で結ばれていく4人は、その絆の為に、運命が大きく変わっていく。

という映画です。カチンコ


すごい感動作でした。戦争は人を狂わせて、狂った人間は、自分がどれほど残虐な事をしているか解らなくなってしまうのでしょう。そんな戦争を、赤裸々に描いてありました。戦争で簡単に奪われる命と、そんな戦争の中で、1人の少年を救うために必死になる4人という対比と、すごい戦火の中を掻い潜って逃げる兵士と、村の中で穏やかな兵士という対比など、色々な対比を描いて、人間の恐さや優しさ、悲しさを素晴らしく表現してありました。

本当に、ずーっと映画の兵士と一緒になって緊張していて、息つく間もなく必死で映画に見入っていました。

同じ戦争作品ではあるけど、”ブラックホークダウン”とか”プライベート・ライアン”とは、ちょっと違い、ただ、戦争の恐さを描くのではなく、人種問題などの問題にも切り込んでいて、(スパイク・リー監督ですからね。)考えさせられます。


この映画、超お勧めです。感動します。ガチャガチャしたアクション映画の合間に、こういう感動作で涙を流して、心を浄化してください。虐殺の場面などがあるので、子供には、あまり見せたくありません。でも、判断の出来る大人は、ぜひごらんになってくださいね。虹