『つまみ食い文学食堂』 柴田元幸 角川書店 2006年 初版
作品数は140タイトル、作家は104名、食材+メニューは346品目!!と帯にうたわれたエッセイは、「本の旅人」に2年余り連載されたものです。
柴田センセのワサビの利いた口調、吉野朔美さんの辛さ控えめ+渋み+愉快な挿絵が相俟って愉しめます。
アボカドとアボガドロ定数ー勘違いの理由「Be Vegetarian」
子どもの頃欧米で書かれたおはなしを読みながら未知の食べ物を空想する話を聞いたけれど、そういうことが言えるのは“大草原のナントカとか赤毛のカントカとかを読んで育った育ちのいい人”だという柴田センセ「不在の食物」
ジャガイモの芽は英語でもeyeという「根菜類等」
渋谷の「くじら屋」には私も一度だけ行ったことがあったゎ「鯨の回想風」
ヴォーカンソンがつくった、食べて消化し排泄までするからくり鴨の話は、つい先日TVで見たばかりの究極のロボット(消化・吸収して食物から活動エネルギーを得る)研究を思い出しました「禽類」
人を食った話ばかり書くドナルド・バーセルミに会った金関寿夫は、彼が人を食わなかったことに違和感を示したという。金関先生もなかなか(最高!)だわ「人等」
マッチ売りの少女が見る幻に出てくる、背中にナイフとフォークを刺したままよたよた歩くガチョウ「クリスマス特別メニュー」
roomの意味。そういえば“どうぞ、お掛けになれますよ”とか“少し詰めていただけません?”という言い回しを習ったっけ「一杯のお茶を持てば」
リチャード・ブローティガンの翻訳といえば藤本和子さんですが、夫についてイスラエルでヘブライ語を学んだ経験を書いた『砂漠の教室』(ヘブライ語学校あるあるが満載)も面白かった「ブローティガンの犬」
エデンの園に実っていた智慧の実がリンゴでなければならない理由「リンゴはなんにも言わないけれど」
などなど正餐に従って、Menu・Aors d'Oeuvre・Fish・Meat・Specials・Beverages
Dessertsに分けて語られた食べ物に関する文学の数々、敬遠して読まなかった作品も知らなかった作品も、手に取ってみようかなぁ、という気にさせるシェフ(店主)柴田センセの腕は確かです。
dessertsで思い出したこと、某ドラマで先生役を演じて名を挙げたT・Tが
とあるラジオ番組で、得意そうに砂漠とデザートが同じだ!と恥をさらして
いたっけ。辞書はちゃんとひきましょうね。
あとがき対談(店主:柴田元幸 ゲスト:吉野朔美 一日従業員:都甲幸治)
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