もう日本は眼中にない…
対『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』
勝利で韓国の「先進国意識」が確立?
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72759
木村幹(kan Kimura) 神戸大学大学院教授比較政治学・朝鮮半島地域研究
韓国大統領の悲劇&朝鮮半島の未来とは?
2019/08/31
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つまり少なくとも経済水準だけから見れば、仮に日本が当然先進国であるとすれば、韓国もまた当然先進国である、という状況になっている。
格差、それでも若者に翳りなし
もちろん、その事は韓国の経済や社会に問題がない、という事を意味しない。
よく指摘されるのは、韓国において深刻なのが経済的格差の拡大であり、またその表れとしての失業問題である。
韓国政府の公式統計で2019年の失業率は3.8%。日本の数字が2.4%だからそれよりも高い事も重要であるが、とりわけ20代以下の失業率が8.9%と極めて高い数値になっている事が大きな問題となっている。
この様な若年層の雇用問題は韓国が1997年から98年のアジア通貨危機において、IMFの指導下で新自由主義的な構造改革を行われてから、一貫して深刻な問題として現れている。
だからこそリーマンショック直後の2010年には、当時の若者の間で、「ヘル朝鮮,헬조선(Hel Chōsen)」つまり、「韓国は地獄だ」という言葉が生まれ、流行する事にもなっている。
とはいえその事は、この国の若者が必ずしも自らの国家に対して、年長者より低い国際的評価を与えている事を意味しない。
たとえば2010年の調査では韓国は「先進国である」と答えた20代は46.6%、この数字は全年齢層で最も高いものになっている。
今回2020年の調査では「先進国である」と答えた20代の人々は61.5%。政府支持層の多い、30代の67.3%や40代の74.3%よりは若干落ちるものの、それでも平均の57.6%を上回る数字になっている。
その事は高齢者の多くが依然として韓国は「後進国である」と答えているのとは対照的だ。
しかしそれは当たり前の事である。
韓国が未だ貧困と権威主義体制下の抑圧にあった時代に育った高齢者とは異なり、民主化後の時代に育った今の20代から30代の人々は、幾度かの経済的苦境こそあったものの、基本的に平和で民主主義的かつ豊かな生活を享受してきた。
だからこそ、数多くの不満を抱えこそすれ、彼らが自らの国家に対する自信を強めていくのは当然の事である。
もう日本は眼中にない
そしてそのような中、彼らが意識し、また自らとの比較の対象にする国々も変わっている。90年代以前、自らの発展の1つのモデルとして日本を強く意識した韓国の姿は既にない。
事実、冒頭で一部を引用した就任3周年の記念演説でも文在寅(Moon Jae-in,문재인)は――その間に自称元徴用工問題や輸出管理問題を巡って激しい対立があったにも関わらず――日本について何も触れていない。
そこで明らかなのは、文在寅(Moon Jae-in,문재인)が言う「われわれが見習いたかった国々」そして「われわれを見習い始めた国」が日本ではない、ということだ。
何故なら皮肉なことに、韓国では日本は依然として『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』対策における韓国の成功を認めず、独自の道を歩み続けている国だと考えられているからである。
ここにおいて彼らが意識しているのは、『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』の直撃を受け、大きな被害を出した欧州諸国であり、また同盟国であるアメリカである。
そして彼らが韓国の対応を評価しつつあることに、彼らは自らが「先進国となった」ことに対する自信を深めている。
もちろん、韓国の『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』を巡る状況は今後も予断を許さない。
世界経済の低迷が、輸出に大きく依存するこの国韓国の経済に影響を与える事も不可避である。
しかし、重要なのはこの様な文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権の自信に満ちた姿勢が単に『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』対策に成功した事による一過性のものではなく、韓国人が着実に自らの国際的評価に対して自信をつけつつある事の結果でもある、という事である。
背景には彼らの成長があり、それに裏付けられまでの経験が存在する。
2010年と2020年の彼等自身の自己評価の変化はその結果であり、だからこそ今後、それが大きく逆戻りする事は考えにくい。
自称徴用工も輸出管理も過去になった
そしてその中では彼らの日本への対応は変わって来る。彼らにとっては今の日本は、「自らと同じ先進国の1つ」にしか過ぎない。
文在寅(Moon Jae-in,문재인)の就任3周年の演説が示したように、だからこそその中では日本はもはや特別な地位を与えられていない。
だから彼らは我々に特段の関心も、そして配慮も払おうとしない。
「ポスト『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』」の状況下、自称元徴用工問題や輸出管理規制問題は「過去」となり、多くの人々はこれらの問題への関心を失いつつある。
日本との間に存在する問題は、所詮、彼らの生活に直結する問題ではないからだ。
こうして韓国社会の中で、日韓関係を巡る問題は看過され、未解決のまま持ち越されていく事になる。
だからこそ、我々もまた彼らへの対応を変えなければならない。
日本を意識し、日本を追い越そうと努力した韓国は最早どこにもいない。
だからこそ彼らが日韓関係を改善する為に進んで何かしらの譲歩を行うだろうと期待するのは、これからますます難しくなってくる。
「ポスト『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』」の時代は、この北東アジアに更に「水平的な国際関係」を齎していくのかも知れない。
このWEBでは感染拡散の責任を忘れない為に、
『習近平(시진핑,习近平)ウイルス(コロナ19)』
の名称変更して使用しています。
武漢ウイルスとすると、都市名自体を変えられる可能性があるため。
韓国が主張する強制徴用工(Forced workers)
「自称徴用工
(Self-proclaimed-origin Forced Victim Workers, 자칭강제징용피해자)」
『朝鮮半島出身応募労働者(Applicant Workers From the Korean Peninsula)』
第二次世界大戦中日本の統治下にあった朝鮮および中国で
日本企業の募集や本人の応募により労働した元労働者及びその遺族による訴訟問題。
韓国は元労働者は奴隷のように扱われた、との主張
現地の複数の日本企業を相手に多くの人が訴訟
徴用の工賃金体系は、熟練度によって給与が増減
現金渡し工賃は、だいたい110円代が多く、今の金額に換算すると、20万円前後。