「どうしてそんなことするの?」
理解不能な子供の行動でこのように思ったことはないでしょうか?
アドラー心理学と交流分析の共通点を通して子供の困った行動を見る視点が得られます。
まずは、交流分析のストロークという考えを説明します。
交流分析で、ストロークは「相手の存在を認めるための動作や働きかけ」と定義します。
人は生きるために食べたり飲んだりすることを欲する自然の欲求がありますが、同様に人から自分の存在を認めてもらいたいという欲求、すなわち、認知欲求や自尊欲求をもっています。
交流分析では、この基本的な欲求を満たすすべての働きかけをストロークと呼び、人の成長に不可欠な要素としています。
では、ストロークにはどのような種類があるのでしょうか?
ストロークの種類
①プラスのストローク(それを受けた人が嬉しいと感じるような働きかけ)
例:ほめる、励ます、あいさつする、握手する、信頼する、話を聞く、うなずく、ほほ笑む、勇気づける
②マイナスのストローク(受けた人が、嫌だと思うような働きかけ)
例:叱る、怒る、馬鹿にする、軽蔑する、非難する、
※ストロークがない状態、いわゆる無視、無関心は、最悪で、親が無関心でいると、親の関心を引こうとして不適切な行動をして、マイナスのストロークであったとしても得ようとします。
③条件付きのストローク(~ができたらご褒美)
例:100点取れたのであなたはいい子。
静かにしているあなたはえらい。
この条件付きのストロークは、子どもをストレスにさらす可能性があります。
例えば、100点取れた子はいい子と評価すると100点取れない子はいい子ではないという含みを持たせてしまいます。
いい子であるためには100点をとり続けなければならない。
そのためには努力して・・・疲れちゃいますよね。
そのために子供には無条件のストロークを与えてあげる必要があります。
それは、存在そのものに対するストロークです。
「生まれてきてくれてありがとう」
「~ちゃんがいてくれてお母さん嬉しいわ」
「お母さん、~ちゃん、大好きよ」
こんなストロークが子供の健全な心を育みます。
他の種類のストロークもあるのですが、それはここでは割愛しますね。
鯉と戯れる黒鳥君
さて、このストロークという考えは、アドラー心理学の正の注目、負の注目にとても似ています。
おそらく、交流分析を創案したエリック・バーンは、ストロークという考えをまとめるにあたって、アドラーの正の注目、負の注目という考えを取り入れたのでしょう。
アドラーは、著名な学者に影響を与え、その源ともなっているのです。
それはいいとして、子どもが何か困った行動をとるのは、日頃、お母さんが注目してくれないので、注目がほしくて困った行動をすることも多いのではないかと思います。
そんな時に子供を叱ったりなど反応をしてしまうのは子供の思うつぼ。
子供は、叱られてでもマイナスのストローク、負の注目を得ようとしているかもしれないのです。
そんな時は、その困った行動に注目を与えないこと。関心を向けないようにする。
感情的にならないで話し合いをすることもいいかもしれません。
「ちゃんと説明してくれない?」
そして重要なのは、子どもが適切な行動をしているときに関心を向けたり、言葉をかけてあげることです。
どんなことに注目を与えてあげるかに関しては、この記事
をご覧ください。
これらのことを知っていると子供の問題行動に上手に対処できるようになるはずです。