年代 | 作曲 | 作詞 |
天保年間 | 初代 杵屋三五郎 |
二代目 川上不白 |
銘茶『花の友』を売り出すためのCMソングだそうです。
今では長くて三分くらいのCM。この時代は一つの商品の宣伝に十五分ですよ。粋なものですね。
作詞は江戸千家二代目家元の川上不白と言われている。
初代川上不白という人は、紀州新宮の水野家の次男として生まれる。水野家は紀伊藩江戸家老の家柄。でも、どんなに家柄がよくても次男は次男。部屋住み。彼は表千家七代目の如心斎に入門し茶の道に進んだ。カテキンパワーのお茶が健康によい証拠なのか・・・。江戸時代だというのに90歳という長寿だったそうです。
二代目家元は川上宗雪。その子供と言われる人が、この曲の詞を書いた二代目川上不白。江戸千家四代目家元である。
江戸千家というのは寛永三年(1750年)に京都で修業した不白が神田駿河台に黙雷庵を営んだ事から始まる。その後、一度不白は京にもどり四年後に神田明神内に蓮華庵を営み江戸の文化の影響を受けつつ江戸の人々に「江戸千家」の茶の湯を広めたと言われる。
つまり、江戸の「茶道」といえば、この江戸千家といっても過言ではないですね。
ですから、二代目不白がお茶屋さんから依頼を受けて『花の友』というCMソングの歌詞を書いても全くおかしくはありません。
さて、杵屋三五郎という人。
この人は『屋敷娘』・『お通半七』・『おしゅん』などを作曲した人です。『屋敷娘』はけっこうご存知の方がいかもですが、『お通半七』とか『おしゅん』は稀曲ですね。これらの曲の多くは杵家派に伝承の曲として伝えられているらしいです。
『花の友』はとても良い曲なのですが、あまり演奏会では出ませんね。
また、お囃子のない曲というイメージがとても強いのです。
しかし、、、
来月の藤舎流演奏会の『真しほ会』でこの曲が出るんですよ。
えっ!お囃子があったの???
と言う事で、この曲をちょっと勉強してみました。