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津の国の、浪花の春は夢なれや、早や二十年の月花を、眺めし筆の色どりも、書き尽くされぬ数々に山も錦の折りを得て、故郷へ飾る袖袂
若紫に十返りの、花を現す松の藤浪
一目堰き笠塗笠しやんと、振りかたげる一枝は、紫深き水道の水に
染めて嬉しき由縁の色の、愛としと書いて藤の花
ええ、しょんがいな、裾もほらほらしどけなく
鑑山、人のしがよりこの身のしがを、かへりみるめの汐なき海に、藤姿の恥ずかしや
男心の憎いのは、外の女子に神かけて、粟津の三井の予言も、堅い誓ひの石山に、身は空蝉の唐崎や、
待つ夜を他所に比良の雪、解けて逢瀬のあた妬ましい、ようもの瀬田にわしや乗せられて、文も堅田の片便り
心矢橋のかこち言
(『潮来』または『藤音頭』が一般的に挿入される)
松を植えよなら、有馬の里へ植えさんせ、いつまでも、変わらぬ契り、かい取り褄で
よれつもつれつまだ寝が足らぬ、宵寝枕のまだ寝が足らぬ、藤に巻かれて寝とうござる
ああ、なんとしようかどしようかいな、わしが小枕お手枕
空も霞の夕照に、名残おしみて帰る雁がね
『潮来』
潮来出島の 真菰の中に、あやめ咲くとはしおらしや サアよんやさ サアよんやさ
宇治(富士)の柴船 早瀬を渡る 私や君ゆえのぼり船 サアよんやさ サアよんやさ
花はいろいろ 五色に咲けど ぬしに見かえる花はない サアよんやさ サアよんやさ
花を人もと わすれてきたが あとで咲くやらひらくやら サアよんやさ サアよんやさ
しなもよや 花に浮かれて ひとおどり
『藤音頭』
藤の花房 色よく長く 可愛がろとて酒買うて のませたら うちの男松
からんで〆て てもさても 十返りという名のにくや かえるというは忌み言葉
花もの言わぬ ためしでも 知らぬそぶりは奈良の京 杉にすがるも 好きずき
松にまとうも 好きずき 好いて好かれて はなれぬ仲は ときわ木の
たちも帰らで きみとわれとか おお嬉し おおうれし