みなさま、こんにちわ
さくらゆかりです。
今回も造幣さいたま博物館の続きです…
展示品の多い解説記事ですが、もう少しお付き合いください
後編は歴史編を中心に紹介をします。
入り口のパネルには、西洋・東洋・日本の3つ世界の貨幣の歴史が図表になっていて
日本で最初に作られたとされる貨幣は
富本銭(ふほんせん) この貨幣です
和同開珎が、よく日本で最初の貨幣として歴史の教科書などに載っていますが
富本銭との違いは、富本銭が出土数が少なくどれだけ流通していたのかが不明なのに対して
和同開珎は、日本ではじめての流通貨幣として作られ、使用されたという点が違いです
皇朝十二銭
その後中世まで、いろいろな貨幣が登場しますが、多いので省略して
戦国時代に制度の整った貨幣が登場します。甲斐の甲州金です
甲州金の貨幣と貨幣制度は、徳川家康が江戸幕府の貨幣制度の参考にしたと言われています
こちらの瓢箪みたいな金貨は、豊臣秀吉が作らせた金貨 法馬金
太閤秀吉の威厳みたいなものが、感じられますねー
江戸時代になると、たくさんの金貨がつくられました
下に紹介する大判、小判がそれです
ただ、江戸時代の金貨の悲しい結末は…
江戸時代の始まった頃は金の配合割合の多い金貨を発行していたのですけど、
時が経つにつれて、幕府の財政の苦しさを金の分量を減らすことで立て直そうと考える
重臣が現れ、金の採掘も減ってくるので、だんだん中身の薄い金貨に
落ちぶれていってしまったことです
貨幣は、金属を溶かして形をつくり、さらに不良品を選別したり、刻印を彫ったり、最終検査をしたりと、現在の製造法と基本はいっしょの作り方で作られました
下の絵は、金をつくる金座という製造所の工程を描いた絵巻です
金貨の製造は重要な機密事項であるため、順番はわざと分からなくして絵は描かれています
皆さん知っている銀座は、現在の銀座のある場所に銀貨の製造場所が作られたことがその謂れですけど、金座は今の日本銀行の辺りにありました
銀貨も展示されていました
次に 銅や鉄製の通貨です
寛永通宝 時代劇でおなじみの銭形平次が投げていた通貨が
この寛永通宝だったということは知っていますか
ちなみに、投げていた(と思う)一文銭の寛永通宝の通貨価値は、諸説ありますけど、現在のお金の価値に換算すると、10円~50円くらいに相当するそうです
まあ、時代劇で毎週投げるお金ですから、そんなに高い金額の貨幣を投げる訳はないですよねー
明治4年になり、円や銭の単位が定められ、10進法で計算される仕組みが作られます
最初に作った金貨の試作品
最初の頃に発行された金貨
それ以来150年あまり、ずっと貨幣は作られ続けていて
現在にいたります…
幻の金貨
第2次世界大戦前に発行しようとして製造したものの、事情により市中に出さなかった金貨を、財務省がずっと保管していて、これをオークションで売却したところ、旧2円金貨が1,000万円で落札されました
記念貨幣のあれこれ
最初の記念金貨は、東京オリンピック(昭和39年)
銀貨も発行されました
札幌オリンピックも、金貨や白銅貨が発行され…
その後、大阪万博、沖縄海洋博などのイベントのほか、青函トンネルや瀬戸大橋開通などの大きなできごとがあるたび、記念貨幣が発行されています
下のFIFAワールドカップでは、10000円金貨が発行されましたが
昭和天皇在位60周年記念のときには、ついに10万円金貨が発行されました
(その後も10万円金貨は発行されています)
すこし解説が長くなってきたので、ここで豆知識…
貨幣の表裏は決まっているのかというと… 一応年号のある方が表、その反対が裏だそうですが、法律的には表裏は、決まっていないそうです
造幣局では、国民栄誉賞のメダルもつくっています
こちらは、国内オリンピック大会のメダル
東京オリンピック
長野オリンピック
プルーフ貨幣
最後は、バリエーションさまざま、色とりどりのプルーフ貨幣(収集コレクション貨幣)があったので、それらを紹介します
貨幣セットが国内向けに発売されたのは、昭和50年から。
ちなみに、誤解のないように説明しますが、これらの貨幣はセットとして販売されたからと言って、特に値段が付くと言うことはなく、貨幣としてはまったく同じ価値です
ただ販売数量は限定されているので、売り切れてしまったらそこでそのセットは終わりです
現在は、貨幣セットはMINTセットという名前に変更になり、現行通貨6種類と、発行記念の銘板(メダル)の入ったセットとして発売されています(下のは2019年)
地方自治法60周年記念にあたる平成20年から10年間、記念貨幣として各都道府県ごとの図柄のデザインの記念貨幣が順次発行されました。いずれもカラー図案の、美しい貨幣です
ずらっとたくさんな種類の貨幣セット…
その中から、アニメキャラの貨幣セットが面白かったので紹介します
キティちゃんや、鉄腕アトム
リカちゃんからワンピースまで
アニメのセット、こんなにたくさんと、ちょっと感心して眺めてました
大阪万博の、記念貨幣あるみたいですよ
最後の最後、さいたま造幣局土産ふたつめ
和銅開珎最中です
あ、ちなみに、これは特別に博物館用に作っているものではなく、和同開珎の地元秩父の市内にある和菓子屋 八幡屋本店さんで販売されている和銅最中を、秩父市内とこの博物館だけで販売しているものです
私も去年、ここへ行って来ましたよー
写真に撮ろうと袋から出したら、端っこ欠けてしまいました
というわけで、かなりマニアック要素なブログとなりましたけど、造幣さいたま博物館の紹介はここまでです。
ちなみに、日本銀行と、日本橋の貨幣博物館の記事も昨年書いていますので、もっとマニアックな方はぜひこちらもご覧になってくださいね
その③は、今度はお札を発行する、国立印刷局の方を紹介して行きます
それでは皆さん、明日も皆さまにとって良い日でありますように~