『ヤッターマン』

このところやたらティーザーキャンペーンや予告で気になって仕方なかったので、公開初日の今日見てきました。
ドロンジョさま
Yahoo!映画より


原作のアニメのおいしいところを完璧に再現してますね。

あのセリフが、あのシーンが“現在の技術”で再現されます。
「ポチっとな」「スカポンタン」「やっておしまい」「豚もおだてりゃ木に登る~♪」、おしおき三輪車、ファンファーレメカ、極めつけは「いい女は振り返らない」…。

アニメ放送当時、もう高校生だったと思うけど、このアニメだけは見ていた私らオッサンには涙がでるほど嬉しい仕上がりです。

しかも全編の90%近くをCG加工してあるクオリティの高さ。アニメの実写化にありがちなチープさは微塵も無く、出演者たちも本気の演技(いい大人が恥ずかしげも無く天才ドロンボーの歌をフルコーラス、真面目にカメラ目線とか)

人間ドラマ自体もアニメの脚本そのままのノリで、今時小学生でも恥ずかしくなるぐらいのウブな恋愛ドラマとか、ベタベタな嫉妬とか、ひたすら父を信じる純な娘とか。

そのくせ、冒頭からガンガン出てくる下ネタのオンパレード。直接的な露出シーンはさすがにないものの、大人向けの変化球下ネタは満載です。

冒頭の戦闘シーン、引きずられる福田沙紀ちゃんのあのシーン。よくぞ事務所がOKしたよなぁ。絶対にヤバイだろ!!

ボヤッキーの深キョンドロンジョさまの胸タッチとか、同じくドロンジョさまの胸元どアップから真っ赤な唇へのパンアップ、翔子(岡本杏理 )の太ももに1号(桜井くん)がかぶりついたり、ヤッターワンがバージンローダーに欲情して鼻血(オイル)を流したり 、ボヤッキーの「全国の女子高生のみなさん」の妄想は実写ならではの生々しさ。

ラストの海江田教授(阿部サダヲ)の「子供はわからなくていいんだ」あれって言った福田沙紀ちゃんにもちょっと早いような・・・。

思えば70年代のアニメって、ヤッターマンに限らず下ネタは多かった。そういうところもまじめに再現していて見ていて恥ずかしくなるくらい。ここまで原作をリスペクトし、完璧に再現したことに感動。笑いあり、お色気ありと頭空っぽにして楽しめる映画です。

特にアニメ版のドロンジョさまはちょっとヒステリックな印象もあったんですけど、本作のドロンジョさまは文句なくかわいい。深キョンだからこそ、お色気シーンも生臭くならずに笑いになったんでしょうね。

逆に福田沙紀ちゃんは冒頭の戦闘シーン以降、徐々に印象が薄くなってもったいなかった。岡本杏理ちゃんは、引き(ボケに対するツッコミを引きで表現)、ボケ(ヤッターワンのシーン、ラスト)ともしっかり笑いを取ってました。

やっぱり、この映画の主役は間違いなくドロンジョさまですね。なにせ最初から最後まで顔の半分かくして、あれだけの可愛さなんですからハンパやないですよ。

そしてこの映画は、お子様を連れて行かないほうが楽しめますよ。

最後まで読んでくださったあなたに、全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
『インクレディブル・ハルク』
インクレディブル・ハルク
Amazonより


本来は『アイアンマン』と対になっていて、
『インクレディブル・ハルク』の後にアイアンマンが続くという設定になっています。

ただ、上映時にはアン・リーの『ハルク』が失敗だったせいか、
『アイアンマン』の広告ばかりだったような気がします。
実際どこでいつ上映していたのか知らなかったし。。。

で、映画の方ですが、アン・リー版が人間ドラマに重きを置き過ぎ
評価を下げたのを教訓に、アン・リー版で半分つかったハルク誕生までを
冒頭のタイトルクリップの間に済ませてしまいます。

その割には変身するまでが時間かかるんだけどねぇ。

あと人間ドラマを大きくはしょったのはいいのですが、
いかんせんバナー(ハルクの変身前)の葛藤がなさ過ぎ。

確かに心拍数をコントロールしたり、感情をコントロールする方法を学んだり、
バナーに戻ったあとの変身時のフラッシュバックとか、
いろいろと工夫はしているんだけど、悩んでいるようには見えない。

せっかくの名優ウィリアム・ハートを起用しているんだから、
それなりに悩めるヒーローを演じさせて欲しかったですね。

せいぜい、昔の恋人ベティ@リヴ・タイラーを
遠くから見る表情くらいしか、その力量が感じられなかった。

アン・リー版の人間ドラマが評判悪かったのは、
長過ぎたのとあまりにも観念的すぎたからでしょう。
押し付けがましくて共感しづらかった。

だから、時間は今作のままで、もう少し深堀して欲しかったですね。

でもって、肝心のハルクですが、バトルシーンは最高ですね。
下手な小細工無しにただただパワーだけの化け物ですから、
理屈抜きに見れてスッキリします。

ただし、必殺技を叫ぶのは子供向けのヒーローものだけにしてほしい。
だっていくらCGキャラとはいえ、もとはウィリアム・ハート、
中年のオッサンですよ。

あとね、ハルクの顔がしんどいです。
表情を作りたかったんでしょうけど、かえって漫画になってしまってる。

せっかくキングコングよろしく(てか完全にキングコングを
意識しているとしか思えない)美女と野獣の美しいシーンもあるのですが、
妙にマンガチックでキングコングほど感動的ではありませんでした。

なんてのかな『インクレディブル・ハルク』は、
『アイアンマン』ほど大人向けではないし、ヘル・ボーイみたいに
能天気に楽しむには前半が長い、ちょっと中途半端な映画でしたね。


最後まで読んでくださったあなたに、全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
久々にジェシカ・アルバ主演の『アイズ』
アイズ
Amazonより


タイのホラー映画のリメイクらしいんですが、
原作は借りようと思いつつ、結局借りなかったので
先入観なしにみることができました。

ホラー映画ということもあるんでしょうけど、
この映画では、ジェシカはほとんど笑いません。

彼女ってあの笑顔とバランスのとれたプロポーションが売りだったんですが、
お子様向けのアクション映画に飽き足りなかったのでしょうね。
セクシーな胸元は確保しつつも、笑顔を封印、
げっそりやつれたヒロインを演じています。

ホラーというよりサイキックサスペンスですね。
もうコレだけでネタばれかも知れないなぁ。

映画に触れると何を書いてもネタばれになるという
一番レビューが書きにくいパターンです。

ま、盲目の美人バイオリニストが角膜移植を受けて、
そこにない物が見えるようになって・・・というストーリー。

ストーリーは子供騙しじゃなく、しっかりしていて、
ちゃんと謎解きもありますし、終わり方もいいです。

で、この映画って、ほとんどジェシカの一人芝居みたいなものなんですよ。
つまり彼女の演技力が全てと言っていい映画。

女優として勝負してるって感じですよ~。
このままいい女になってしまうには、まだ、ちょっと惜しいけど、
いずれはアンジーに並ぶ女優になるのかなぁ。


ところで、映画の本筋とは関係ないんですけど、
角膜移植後、徐々に視力を取り戻して行くというのは
実は物凄く大変な事なんだなぁって、改めて思いました。

当たり前の話なんですけど、習慣的に音で確認するだけでなくって、
例えば文字なんて読めないわけですよ。盲人が学んだのは点字ですからね。
二度学校に入り直すみたいなものですね。

その上に視覚というのは物凄い情報量なわけですから、
見えていても見えないように情報を間引くことを脳は勝手にしているんですけど、
それができない。ある種のパニックになってしまうんですね。

我々健常者には分からないことも、この映画からは知る事ができました。
脚本家や監督のリサーチもさることながら、そういう不安も
ジェシカの演技がしっかりしていたから表現できたのでしょうね。

たいして怖くはないですし、無意味に脅かすようなこともありませんから
ホラーが嫌いな人でも安心して見る事ができますよ。

『アイズ』ジェシカファンは必見です。

最後まで読んでくださったあなたに、全ての良き事が雪崩のごとく起きます。