『インクレディブル・ハルク』
インクレディブル・ハルク
Amazonより


本来は『アイアンマン』と対になっていて、
『インクレディブル・ハルク』の後にアイアンマンが続くという設定になっています。

ただ、上映時にはアン・リーの『ハルク』が失敗だったせいか、
『アイアンマン』の広告ばかりだったような気がします。
実際どこでいつ上映していたのか知らなかったし。。。

で、映画の方ですが、アン・リー版が人間ドラマに重きを置き過ぎ
評価を下げたのを教訓に、アン・リー版で半分つかったハルク誕生までを
冒頭のタイトルクリップの間に済ませてしまいます。

その割には変身するまでが時間かかるんだけどねぇ。

あと人間ドラマを大きくはしょったのはいいのですが、
いかんせんバナー(ハルクの変身前)の葛藤がなさ過ぎ。

確かに心拍数をコントロールしたり、感情をコントロールする方法を学んだり、
バナーに戻ったあとの変身時のフラッシュバックとか、
いろいろと工夫はしているんだけど、悩んでいるようには見えない。

せっかくの名優ウィリアム・ハートを起用しているんだから、
それなりに悩めるヒーローを演じさせて欲しかったですね。

せいぜい、昔の恋人ベティ@リヴ・タイラーを
遠くから見る表情くらいしか、その力量が感じられなかった。

アン・リー版の人間ドラマが評判悪かったのは、
長過ぎたのとあまりにも観念的すぎたからでしょう。
押し付けがましくて共感しづらかった。

だから、時間は今作のままで、もう少し深堀して欲しかったですね。

でもって、肝心のハルクですが、バトルシーンは最高ですね。
下手な小細工無しにただただパワーだけの化け物ですから、
理屈抜きに見れてスッキリします。

ただし、必殺技を叫ぶのは子供向けのヒーローものだけにしてほしい。
だっていくらCGキャラとはいえ、もとはウィリアム・ハート、
中年のオッサンですよ。

あとね、ハルクの顔がしんどいです。
表情を作りたかったんでしょうけど、かえって漫画になってしまってる。

せっかくキングコングよろしく(てか完全にキングコングを
意識しているとしか思えない)美女と野獣の美しいシーンもあるのですが、
妙にマンガチックでキングコングほど感動的ではありませんでした。

なんてのかな『インクレディブル・ハルク』は、
『アイアンマン』ほど大人向けではないし、ヘル・ボーイみたいに
能天気に楽しむには前半が長い、ちょっと中途半端な映画でしたね。


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