もうすぐ公開される『ダークナイト』の予習でBRDを借りてきました。
『バットマン ビギンズ (Blu-ray Disc)』です。

この作品は映画館で見たのですけど、我が家の42inchプラズマでも迫力不足でした。
やっぱり映画館の大画面でみたいですね。せめて100inch以上のホームシアター。

久々にブルーレイを見たのですけど、確かにDVDとはちがって輪郭がシャープ。
でも、なんだか彩度をブーストさせてるのか、のっぺりした印象です。

まぁ、暗いところでもちゃんと色調が出ているので、
そこはブルーレイの良さなんでしょうけど、コープスブライドと比べると
どうにも高画質とは言えないような気がしますね。

特にこのバッドマンは夜のシーンが多いわけですから、
派手にするよりフィルムグレインが残っているような感じの方が
味があっていいと思います。


さて画質への不満はさておき、映画の方はなかなかにおもしろいですね。
私としてはティム・バートン版のバッドマンが大好きなんですが、
このノーラン版もなかなか楽しめました。

本作はバッドマン誕生までのエピソードなんですけど、
くそまじめにリアリティにこだわって作っています。

それだけに子供に楽しめるかと言えば難しいでしょうし、
バッドマンというヒーローものの世界観という点では
薄まってしまった感があります。

さらに言えば、正義を語る悪の組織(?)が、映画をリアルにしたおかげで
非常にツッコミどころ満載になってしまいました。

だって、あそこまでリアルに演出すると、組織の活動自体が疑問だし、
そもそもその活動費用はどこから捻出されているのやら、
ヒーローものとしたら気にならないところが気になってしまうんですね。

とはいえ、バッドマン特有のギミックいっぱいのツール類が満載で、
バッドマン好きでも充分楽しめると思いますよ。

個人的には『バットマン ビギンズ (Blu-ray Disc)』のバッドモービルはカッコイイけど、
バッドモービルじゃないと思ってしまいました。
瞬間移動(テレポート)の超能力をモチーフにしたSFアクション『ジャンパー』

ですが、なんですよ。

時間も90分程度の短い映画なので、人物を掘り下げてどうこうというような映画でなく、
見たことも無いような映像(瞬間移動を真っ正面から映像化しましたって感じ)と
アクションを楽しむ映画なのだと思うのです。

ですが、なんですよ。

素直に楽しめないんですね。
なぜなら、主人公が中途半端にリアルだから。

せっかく得た瞬間移動という才能を、自分のためだけに使うわけですよ。

立ち入り禁止区域に入るのはあたりまえで、銀行から金を盗んで贅沢するわ、
TVの災害現場を鼻で笑って決して人助けをしないわ、気分の悪いガキです。

敵に命を狙われるようになって、主人公が散々「自分は人を傷つけてない」
みたいなことを平気でわめくんですけど、人の財産かすめ取っておいて、
なにを甘えたことを言うとんねんという感じで、ただの泣き言にしか聞こえない。

いや、確かにそんな能力を身につけたら、私利私欲のために使うでしょう。

だから多少リアルかもしんないんだけど、人間多少の善意は残しておきたいと思うもんで、
TVの災害現場を鼻で笑うようなことはしないでしょう。

普段、その能力で恩恵を被っているのならなおのこと、
多少は恩返しというか、公のために使いたくなるんじゃない?
全くそれがないのはどうかと思いますねぇ。

で、当然、そんな輩を野放しにはしておけないってことで敵さんが出てくるんですが、
この人たち、ジャンパーと呼ばれる超能力者を目の敵にするだけでなく、
関わった人たちも殺してしまうというちょっとやり過ぎ感があるわけですな。

だからこっちにも感情移入できないんですよ。

当然そのバトルもどっちが正義ってわけでもないし、
どっちかを応援したいって気持ちにもならないわけです。

だもんで、映像の面白さとかは見ていて飽きないんだけど、
主要登場人物に感情移入できないだけに、楽しめないんですな。

なんか設定が面白いだけにちょっともったいないですね
『ジャンパー』は。

『28日後...』の続編『28週後...』

『28日後...』の続編ということですけど、正直言ってそれほど関連性はないです。
設定的にその後というだけで、なぜそんなウイルスが突然発生したかとか、
それが蔓延した理由(実は『28日後...』もその部分は具体的には描いてないけど)
そういったものを背景として知っておきたい方は『28日後...』を見ればいいと思います。

お決まりのゾンビウイルス(ただし、このゾンビは狂犬病に近い感じ。
保菌者は死人ではない)が、蔓延しているイギリスから映画は始まります。

その状況をすんなり受け入れられたら、あとはどっぷりこの『28週後...』を楽しんでください。

まぁ、気分がわるくなること請け合いです(苦笑)。

なんせ、人間の弱い部分を見せつけるし、そこがまたウイルス蔓延のポイントだし、
いい人からどんどん死んで行くし、善意からの行動は全て裏目にでる。

さらに視覚効果も最恐、最悪。並のスプラッタームービーの比ではありません。

釘抜きで頭をかち割るシーンに始まって、眼球に指を突っ込むは、
ボウボウと人間が燃えるは、そのエグさは今までのゾンビ映画の比ではありません。

ランボー4の爆殺シーンなんて、子供だましに思えるシーンもありますよ。

さらに前作から通底しているテーマ “軍隊なんていざとなったら
守ってくれないどころか敵になる”を、沖縄戦の日本軍さながらに見せてくれます。
そっちも相当怖いですよ。

このあたりはノー天気なハリウッド映画との違いですね。大人向き。

近やった同じゾンビ系映画『アイ・アム・レジェンド』より、
断然オススメですよ、『28週後...』は。


最後まで読んでくださったあなたに、全ての良きことが雪崩のごとく起きます。