この映画は
今期NO.1
です。
まだの方は是非観て頂きたい。
↑誰!?
※あんなに騒いだTARを
あっさりと超えました。
分かりやすいということは大切ですね。
この映画にはわかりやすさがあります。
メイキングの「怪物だーれだ」から
ミステリー要素が強いのかなとか
シングルマザーの葛藤だの
LGBT生きづらさだの
そういう類に焦点が置かれているのかなと
予想してましたが
いい意味で
いっさい裏切られました。
ひたすらに少年2人の世界が
キラキラしていました。
綺麗で眩しくて切なくて。
不安定な思春期に
性的マイノリティを自我することの絶望。
「普通」という言葉の残酷さ。
「幸せ」という言葉の定義。
坂本龍一さんの圧倒的音楽の力。
音楽が美しすぎて泣きたくなりました。
音数も少なくシンプルなのに心に響く。
シンプルだから響くのか?
ピアノの音が少し流れただけで
心が震えました。
琴線にふれるとはこういうことなのかと。
美しすぎる旋律が
2人の少年の世界(ラスト)
にぴったりでした。
私は最後のシーンは
メタファーだったと思います。
***
ここからは内容の感想を少し。
大人が2人の少年のことを
わかってあげられないが故に
現実が歪められてしまった。
親が子供を愛するが故の
「幸せになってね」
熱心な子供思いの教師が発した
「男らしく頑張れ」
LGBTの少年二人にとって
「普通」という言葉の残酷さ
まさか少年二人が
そういう悩みをかかえているなんて
親も教師も全く気づきません。
だから事実が歪められてしまった。
少年達のメッセージにも葛藤にも気づかない。
ひとつの出来事が
母親、教師、子供達の
3人の視点から映し出されます。
ひとつの出来事なのに
視点が違うだけで善悪も正義も違います。
真実すらも違いました。
これがこの映画の一番の見どころです。
思春期の多感な時期に
LHBTを自我することの戸惑いと絶望
これは想像を絶する苦しみだと思います。
愛する母親に少年は
「普通でいいから幸せな家庭を持ってね」
と言われます。
この何気ない
愛に満ちた言葉。
この台詞で少年は苦しみます。
自分は普通じゃないから家族は持てない
家族を持てないから幸せにはなれない
だからお母さんを幸せにしてあげることができない
この苦しみ
はっきり言って
私にはわかるんですね。
結婚して子供を産むという
女性の一般的な幸せを掴むことができないから
世間の「幸せ」という言葉が
引っかかるんです。
いちいち引っかかるるんです。
※誤解なきよう。
女性の生き方が多様化したとはいえ
結婚して子供を産むことが女性の幸せという風潮が根強く残っているという意味です。
そうでない人を不幸せと言っている訳ではありません。
私個人がそのように感じているという意味です。
世間的に見て
私は幸せではないように見えるだろうなと。
私の「幸せ」ってなんだろう
敢えて「普通」という言葉を使います。
私は普通に働いていて
普通に稼いで
普通に健康で
普通に友達もいて
毎日それなりに楽しく過ごしています。
結婚しておらず
子供がいないことを除けば
世間一般の「普通」な存在だと思います。
結婚しておらず
子供がいないことは
普通(=幸せ)ではない‥
普通でないことは
幸せではないことなのだろうか
ここで肝になるのが
校長の台詞
『誰もがつかめる幸せしか
幸せと言わない』
「幸せは人それぞれ」およく言いますが
それと似てるニュアンスで受け取りました。
しかし
校長の台詞
『誰もがつかめる幸せしか
幸せと言わない』
の方が圧倒的に深い。
深すぎて闇。
映画で印象に残る台詞でした。
私が今からでもつかめる
幸せってなんだろうかと。
私の母は私のことを
かわいそうだと思っていると思います。
親は過保護でした。
私は厳しく育てられました。
もちろん愛情も(ものすごく)かけられました。
何をするにも母親の許可が必要でした。
母親の思い通りの子供でいないと
母がヒステリーを起こします。
今もそうです。
相互依存というやつだと思います。
大人になった今(ってか40歳)
家を出ればすむ話なんですけどね。
つまり何が言いたいかというと
今年中に絶対
一人暮らししよう
一人暮らしするする詐欺にならぬよう
動き出します。